天和三年九月朔日之暁江戸地震ニ付勤之事
一、天和三年九月朔日寅刻江府余程之地震ニ付、在府之諸大名中為窺御機嫌、御月番御老中江以使者被相勤ニ付、在国之面面随並飛脚を以同十四日之日付ニ而御老中江之連状十月二日御月番大久保加賀守殿ヘ仙石猪大夫令持参、依之同三日加賀守殿より御奉書御越、且又右之節堀田筑前守殿牧野備後守殿江各状呈之
一、右御奉書之御請十月十八日之日附ニ而、十一月六日加賀守殿江西野総右衛門遂持参候也
注、本史料「天和記」は、高知県立図書館所蔵の『山内家史料』稿本により翻刻した。『山内家史料』は明治四十四年(一九一一)から三十年余間にわたり山内家家史編纂所で編集された編年史料集である。本地震に関して『山内家史料』綱文では、「五月廿三日、日光地震フ、廿四日江戸亦地震フ、由リテ廿八日書ヲ以テ将軍ノ起居ヲ候ス、九月朔日亦同ジ」とある。