[未校訂]関東大地震
大正十二年九月一日の関東大地震は、東
京での被害であったが、池田町の被害は
なかった。古老の話を聞いてみると次のようであった。
◎親父といっしょにいるときだった。ゴーゴーという音
建設省関東地方建設局富士川砂防工事事務所蔵
「自明治四十四年度至昭和八年度富士川流域日川
及御勅使川筋砂防工事概況報告」
が遠くからしてきて、突然柱が四―五寸も上下に動い
た。
二度目に来たとき庭にとび出したら、ゴーゴーという
音といっしょに波が立って動いてきた。(和沢陸司 花
見)
◎秋蚕の桑摘みで斜面の畑の仕事をしていたら、急にゆ
らゆらっときて転げ落ちた。(小山紋治 桃の木)
◎ちょうど蚕を飼っているときで、棚がゆさんゆさん揺
れて蚕のかごが落ちそうだった、外の松の木がゆらん
ゆら揺れていた。(田中平八郎 内鎌)
「拾遺」編集後に収集した小地震の史料