[未校訂] 三、新潟地震
昭和三十九年六月十六日午後一時五分頃、マグネチュ
ウド七、五の地震が新潟市を中心に起る。
庄内地方は鶴岡市の大山地区酒田市の宮の浦地区が大
きな被害が出た。鶴岡では幼稚園が横倒しとなり園児三
人を含む五人の死者が出る。宮の浦付近では田圃が隆起
し砂を吹上げたり亀裂が出たりした。
当部落に於いては当日雨のため「露ケ正月」で休みで
あったが昼頃より天気となり除草機押しに出た人もあっ
た。やっと押し出した頃無気味な音と共に揺れ出し、立
っておれぬほどになる。家におった人は吃驚りし外に出
る。静かになって家に入ったら、棚は倒れ、テレビは吹
き飛び目も当てられぬ情況であった。不安の中で一夜を
すごす。其の後四~五回余震が続く。なお部落の被害は
神社の石鳥居が倒れたり、八右衛門、喜右衛門の萱屋根
が半分ほど落ち部落総出で仕末をする。其の他土蔵、家
の壁、風呂場等に亀裂が出た家も相当あった。