[未校訂]第十一節 村の災害
一、酒田大地震
明治二十七年十月二十二日午後五時四十分頃大地震起
こる。
秋作業も出来、土洗をする部落も出始めた頃、夕方突
如、西の方から轟音と共に揺れ始め、皆あわてて外に出
る。あまりの揺の大きさに、大きな家の堆肥置場に逃げ
たり竹やぶに入ったりしてしごす。後、一週間位外で炊
事をする。又夕方の出来事のため火の消し忘れから火事
も出る。と記されておる。当部落の被害は左記の通り
焼失
斎藤伝内、武田孫七、成田宇兵衛、斎藤伝助、阿部与助、
佐藤甚右衛門
全壊
今野又左衛門、梅木長太郎、加藤喜右衛門、渡部作右衛
門、小松仙吉、斎藤平内、武田伊右衛門、佐藤源治郎、
加藤弥五兵衛、遠田弥八郎、武田長左衛門、武田源助、
武田多左衛門、佐藤彦十郎、高橋藤右衛門、武田権四郎、
西田山三郎、大井彦七、阿部彦蔵、佐藤又治、梅津與八
半壊
加藤利左衛門、武田利右衛門、太田幸助、斎藤市左衛門、
渡辺文内、梅津与左衛門、佐藤清三郎、梅津与右衛門、
遠田市郎右衛門
以上となっておる。