地震史料集テキストデータベース
[未校訂]借用申金子証文之事
一金弐拾両也 但シ無利足
右は村方拾ケ年以前未年地震荒石砂入田畑起返入用必至と
差支村方一同ゟ頼入候以格別勘弁実意を以無利足拾ケ年賦
借渡被呉慥ニ請取申処実正也然上は来巳ゟ寅迄拾ケ年之間
毎年三月廿四日限り金弐両宛返済いたし恩儀亡却致間敷候
若滞候共村役人弁金いたし村方ニ不抱跡年月無相違拙者共
ゟ返済可致候為後日借用申金子証文依而如件
笹沢村
安政三年
名主借主 藤左衛門印
辰六月日
百姓代同 七右衛門印
小前惣代 又右衛門印
同 清右衛門印
同 庄右衛門印
同 久右衛門印
同 久兵衛印
同 治右衛門印
（貼紙）
（貼紙）
「印形見エ不申候ニ付名主藤左衛門
致代印候」
柏原宿
中村六左衛門殿
（注、同文の借用証文二通、安政四年巳四月、同八月九日付のもの省略）
借用金証文之事
一金三拾両也 但シ無利足
右は村方拾ケ年以前未年地震荒石砂入田畑起返入用必至と
差支村方一同ゟ頼入候処格別以勘弁実意ヲ以無利足拾ケ年
賦借渡被呉慥ニ請取申処実正也、然ル上は来午ゟ卯迄拾ケ
年之間三月廿日限り金三両宛返済いたし恩儀亡却致間敷候
若滞候共名主弁金いたし村方ニ不抱跡年月無相違拙者共ゟ
返済可致候為後日借用証文仍而如件
安政四年
巳七月日
柏原宿
中村六左衛門殿
笹沢村
借用人
名主 藤左衛門
百姓代 七右衛門
小前 又右衛門
同 清右衛門
同 庄右衛門
同 源右衛門
同 治右衛門
右は弘化度大地震ニ而小菅村溜井押払御田地皆荒いたし候
得共不及自力無余儀 柏原様江御頼込右之通九拾両無利足
拾ケ年賦金借用仕然ル上辰年ゟ卯年迄年々九両宛御返済仕
当卯迄ニ九拾両御返金仕然ル故御証文四通御下戻し被下候
ニ付書面之通慥ニ受取置候尤御返金ニは相成候得共永久御
恩合之御事恩儀忘却村内一同不致様精々心付可申事
慶応三卯三月廿九日
乍恐減米以書付奉申上候
一田高拾三石八斗九升四合
内高八石七斗八升三合 無反別荒地引
高五石五升四合 去未石砂入引
此減米弐石五斗九升六合
一畑高三石四斗四升九合 去未石砂入引
此減米九斗弐升六合
一田高弐石弐斗六升七合 子高入新田
内高壱石五斗六升六分 去未石砂入引
此減米六斗四合
一畑高拾壱石壱斗三升九合 右同断
内高三石弐斗四升四合 去未石砂入引
此減米三斗三升
減米合四石四斗弐升九合
一高井郡笹沢村之儀弘化二（ママ）未年大地震ニ而小菅村溜井土手震
切大満水押出シ田方之分あら〳〵損地ニ相成候故 御役所
江奉願上候而御見分被成下右之通御引方ニ被成下置候処相
違無御座候依之村役人連印以書面奉願上候 以上
安政五午二月 高井郡
笹沢村
名主 藤左衛門印
百姓代 七右衛門印
中野
御役所