地震史料集テキストデータベース
[未校訂]嘉永七甲寅年
十一月四日 朝四ツ時少々前
大地震ニ附村中潰屋併大破之控
（
左之内薬師堂ハのけ三月
壱俵つゝ御借用致ニて
壱斗つゝ四ケ年ニ御返
済致候
作兵衛 伊兵衛 善吉
文助 新右衛門 新七
薬師堂 〆七軒
跡潰屋同前 高次 金蔵
〆九軒書上へ相成候
浅右衛門 木曾八 吉次郎 半兵衛 市之丞 嘉蔵
丈右衛門 増蔵 孫右衛門 音吉 政之丞 吉左衛
門 民之丞 嘉平次 辰右衛門 助蔵 清右衛門 政
次郎 政左衛門 後不残村内
少々つゝ痛ミは
壱軒も不残候
〆拾九軒大損し御座候間、御上様ゟ三月御蔵ニ而弐斗つ
ゝ御借米御借用致候而来春ゟ壱斗つゝ弐ケ年江御返済
可申候
嘉永七甲寅年
十一月四日 原名主次助
後同断町平助
源年寄左衛門
繁同断蔵
記当惣代右衛門
新同断兵衛
村薬師堂御年賦願之控
乍恐奉願上口上書之御事
当村之儀、従来以御重情御百姓相続仕難有仕合ニ奉存候、然
処去子年宮川筋大満水仕候節薬師免切口先ニ而多分ニ荒所ニ
相成、其節奉願上思召ヲ以御年賦頂戴仕候得共、多分之荒所
故今以普請出来兼罷居候所、又候昨寅年大地震候而諸々震荒
候内、当村之儀は平地之場所故か、震方強ク御座候而所々震
潰レ或は震割候場所も有之、右薬師免之義は三之丸御堀跡故
格別之震方ニ而地処震割吐砂吹出し、又は震込候所も有之夥
敷地村ニ相成、其上御堂震潰レ格外之荒所ニ相成、早速御願
も可仕と存候得共、其節御年賦中ニ御座候故不奉願上罷在候
処、当卯御年賦明ニ相成候ニ付奉恐入候得とも何卒思召ヲ以
右御年賦地江差加別紙横帳面之通り御見分之上御年賦被下置
度候様奉願上候、且又薬師之義ハ御先代様御奉納之品も有之
趣殊ニ御拝付之御堂ニも有之候得は何分難捨置御座候得共、
村家居之分潰家は勿論其外潰同様之仕合ニ御座候得は必至と
難渋仕候、何卒此上之以御慈悲右願之通被仰付被下置候ハゝ
御堂再建仕、村一統幾重ニも難有仕合奉存候 以上
安政二乙卯年十月
下金子村
繁年寄蔵
源同断左衛門
原名主治助
後同断町平助
御御郡奉行所様
右之通奉願上候而御年賦相叶申候所、左之通り
中田壱畝五歩 三之丸
中田七畝拾弐歩 同所
右は清右衛門割地之所清右衛門分共不残
村薬師堂地震ニ而震潰し再建之控
安政三丙辰年十月小泉寺本堂代金弐拾五両ニ而買請、小坂村
ゟ観音様御山ゟ虹梁壱本出し申候処、若君堂丈（カ）ヲ申、又候南
ましの村ゟ山神御林ゟ出し前虹梁前柱ニ致し、小坂村之虹梁
内江遣前柱共当村ゟ出し不残仕揚七拾五両三分三朱ト三拾九
文相懸リ申候、其余追々少々は懸ル筈ニ右割合勧化ニ致別帳
ニ有之候、残リ再建帳ゟ出ス
下金子村
後名主町源左衛門
安政三丙辰年十一月十八日 後同断町平助
棟上仕候 新年寄兵衛
左江印 繁同断蔵