地震史料集テキストデータベース
[未校訂]同（六月）廿二日 兵記 当番
一御名内書 壱通
青山下野様江持参仕御用人服部源左衛門呼出 当月十
二日彦根表地震強御破損所御座候ニ付先御届之趣申達
相渡候処委細被成御承知慥ニ被成御落手候段右同人を
以被御出候
一右御名内書最初御勝手江持参仕御用人江宝永之度大地
震之節よりハ御破損所多御座（カ）候御様子共申述且御届
□等御内問申候処下野守様被成御承知何之思召茂不被
成御座間右ニ付直ニ御表江指出可然旨右同人被申聞候
右兵記相勤角右衛門方江書上指出ス
御名内御届書左之通
御名領分江州彦根当月十二日地震強御座候而城郭之向
も石垣等損所出来其外侍屋舗并町郷中潰家余程有之破
損所者多御座候趣在所表ゟ申越候委細之義ハ追而御届
可申上候得共先此段御届申上候 以上
六月廿二日
御名内
富田兵記
宝永四年之度
御届書左之通
当月四日未刻江州彦根地震強御座候得とも城内天守櫓
大破損無御座候所々破損之処又は侍屋舗町郷中潰家等
未相知不申候 以上
御名
十月十一日
同（七月）十七日 安右衛門 当番
一御届書 壱通
水野出羽守様江持参仕御用人五十川左次馬呼出江州
御領分去月十二日地震ニ而御破損所御座候ニ付右御
届之趣申達相渡候処委細被成御承知御届書慥ニ御落
手被成候段右同人を以被仰出候
右同人相勤御請上ル
但御届書は御領分留ニ記ス
一水野出羽守様御勝手江参上仕御用人五十川左次馬呼
□（出カ）江州御領分地震ニ而御破損所御座候段御届ニ付宝
永元年中御届之御例并近キ御類例を以御取調御座候御
届書共弐通差出何れ之方被指出候而可然哉之段御内問
仕候処宝永年中之御例之方被差出可然旨右同人を以被
仰出候
右安右衛門相勤沢村角右衛門方に書上差出ス
一右ニ付例之御親類様方小（衆カ）為知之御方々様其外両山御宿
坊并御出入之衆江夫々為知遣ス委細は文通帳記ス
（後略）
同（八月）月四日 十次右衛門 当番
一今朝二日隔 御城に窺水野石見守殿御返答江口休意を
以被仰出候
右安右衛門相勤御請上ル
一御城絵図 壱枚箱入
一御連状 壱通
大久保加賀守様江持参仕御用人小川左右衛門呼出 御
口上取繕右御絵図御状相渡候処御返答追而可被仰達旨
右同人を以被仰出候
右十次右衛門勤御受上ル
（御城絵図略）
御書入左之通
近江国彦根城
一本丸亥子之間石垣壱ヶ所横拾三間弐尺崩申候
一本丸亥之方石垣壱ヶ所横三間孕申候
一従城戌之間本丸之内土留石壱ヶ所横拾八間半孕申候
一従城卯辰之間本丸之内土留石壱ヶ所横拾弐間崩申候
一従城巳午之間本丸之内土留石壱ヶ所横拾弐間半孕申候
一従城未申之間本丸之内土留石壱ヶ所横拾九間半孕申候
右之石垣如元修復仕度奉願候則破損所朱引仕候 以上
文政二己卯年七月 御名 御印御書判
（中略）
同（八月）十八日 安右衛門 当番
一今朝二日隔御城江伺仙石丹波守殿御返答嶋道永を以被
仰出候
右安右衛門相勤御受上ル
一大久保加賀守様御用人中より御城御普請之御奉書被成
御渡候間罷出候様申来御受遣ス
一松平能登守様御用人中より御奉書御渡可被成候間壱人
罷出候様申来御受遣ス
同（八月）十九日 十次右衛門 当番
一御連名御奉書 壱通
大久保加賀守様より御呼出ニ付参上仕候処此間御願被
遊候彦根御城御修復之儀ニ付而之御奉書之由御用人日
下部与左衛門を以被成御渡候間受取罷帰沢村角右衛門
に相渡申候
右十次右衛門相勤御受上ル
御奉書左之通
以上
近江国彦根城本丸亥子之間石垣壱ヶ所同亥之方石垣壱
ヶ所従城戌亥之間本丸之内土留石壱ヶ所同卯辰之間本
丸之内土留石壱ヶ所同未申之間本丸之内土留石壱ヶ所
弐崩弐孕候付而修復之事絵図面朱引之趣得其意候願之
通如元可被申付候 恐惶謹言
大久保加賀守
文政二卯八月十六日 名乗判
水野出羽守
名乗判
阿部備中守
名乗判
御名殿
但青山下野守様ニハ御引込土井大炊守様ニ
ハ日光江御越御留守ニ付御名前無之由之事
（後略）