地震史料集テキストデータベース

[未校訂]十一月廿三日、
一松平駿河守ゟ御用番松平伊賀守江相届候由之書付寫。
私領分伊豫國今治、當八月廿八日地震に而、城内始、家
中屋敷、幷鄕町破損所御座候に付、其節先御届申上置、
猶又取調候處、左之通。
一本丸二の丸櫓、其外所々壁落大破、
一本丸住居向、所々破損、
一二の丸東之櫓、石垣孕、
一東門脇東之方渡塀拾三間倒、
一同所門内石垣孕、
一新門内石垣孕、
一大手門外渡塀貳拾四間餘倒、
一外曲輪北之方渡塀四拾五間餘倒、
一侍屋敷所々大破、幷圍土塀所々倒、
一鄕町潰家三軒、
一同半潰、八軒、
一田畑岸拔、拾八ケ所、
合百三拾八間、
一石橋落、壹ケ所、
一即死人、壹人、
一牛馬怪我無御座候、
右之通御座候。此段御届申上候。以上。
十一月十四日　松平駿河守○滕道
私領分大洲、當八月廿五日辰の中刻大地震に而、城内外所
所住居向破損、石垣孕崩、土地破裂、侍屋敷其外町鄕大破
夥敷、潰家等も有之、其後折々震動、山々鳴候趣に相聞申
候。人馬怪我等之儀は、いまだ聢と相知不申候得共、先御
届御用番差出申候由。
九月七日　加藤於菟三郎