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[未校訂]一　如来御仮家　堀切沢橋ゟ表向廿間程南江来畑中江御
鎮座、但箱清水村地蔵堂持畑也、
東西弐改三間間半、南北九尺之所ニ御仮座、其前ニ東西
弐三間間半南北三間、猶又遠国之旅人追々参詣、其前
ニ野宿仕参籠之心願故歎敷被思召、弐間半表具次
たし仮家出来、
左右板囲屋根ハ垣之上ニ杉波葺
次たし之所ハ三方古幕を廻し有
西之方御本尊
中　御開帳□
東之方御印文
其前ニ
善光卿　善佐卿　弥生前右三像□、但大戸開帳
之節御持参之像也、
常灯明　二
衆徒方御衣無之方有之、羽織又ハ半天之上江七味袈
裟掛御勤、
常知院抔者不断着ニ被居候半天之上ニ袈裟也、
袈裟者御本堂ニ平生一同ニ被差置候間有之候、
中衆不残無衣立之儘ニ而御勤被成、中ニハ衆徒ゟ輪袈
裟斗り借り掛候方有之、
初メハ野中ニ御影箱を置、御印文之御札等五枚ゟ他
御弘無之候、
妻戸無衣同断
此四五日者御仮家東ニ中衆御詰之所六尺四方□立、如
来之御膳をたき申候、
西之方ニ大勧進様御仮家立
東西弐改三間間半九尺ヽ五間
南北五間、猶又次たし都合十壱間
ニ成、
右之内ニ　御手伝奉納所と板札置、御盥桶等御出
被成候、
粥たき場所御仮家前東土手ニ五釜、
本城道北之方畑ニ
茶屋、干菓子、蠟燭、草餅、牡丹餅、髪結、
右十四軒立、尤初メハ三軒斗り出候得共、今日迄者右
之通ニ成、
本城道川端ゟ少し東江行、
御救小家東弐十間ニ杉之丸木ニ而掛ル、
衆徒御院中中衆妻戸方御本堂裏堤ゟ北東之畑ニ仮
宅、寄（カ）合方も有之、壱人切ニ而御立被成候方も有、又
町方縁者之方江御同居之方も有之候、
一　大本願様者御焼失跡江六尺四方之囲いたし、端切（ママ）角三
ツ葵御紋付之幕打、番人罷出居、其間者御侍清水名三
右衛門与御被官宮川仙八与日々罷出相詰、焼跡之灰中
を掘、御霊宝之内焼残しニて有之哉、又金銀ニ而拵候
品公義御寄付物之焼等改被（カ）致候、仏舎利并当山炎上
之舎利者塔ニ入候儘掘出候、尤厨子ハ少し痛居、
越知山泰澄禅師之作阿弥陀立像者其夜立町青木や松
右衛門持出し、自分方へ御安座致し置候、
御普請之御手当者未タ御不決之先、御屋敷院板囲被成
度残木等を集メ、御霊屋之南端ゟ御手初メ也、北之
□屋敷ニ而朝日山ゟ御切出之材木之内を御頼入、御配
分有之との事、八日者板四十坪背□来、
御堂庭
西側古御堂南角ニ弐間半弐間之小家掛内ゟ土ニ而壁（ママ）付申
候、東之門町下り口南側角ニ板囲之小家懸ル、
大地震焼失并破損之覚
一　如来御堂正面向拝柱之彫物獅子二ツ落、縁西之方之
□鐘撞落有、
東向拝柱弐本二寸程振レル、
西向拝柱菊ノ彫物落、
大勧進様御出仕口之弐本立戸にじり申候、
同石階崩、
裏之方石階崩、
如来御図子ニ而堀切沢之手前畑江御野座、
但、沢之橋ゟ真南廿間程隔、
前主御本尊之御印文、　善光善左弥生前御木像同断土
間ニ御座被遊、
右者御図子ニ入被為在、
大勧進僧正山海様御院代法成院様久保田内記様上田
丹下様御付添、麻幕張廻し被為在、
□□　如来　御院文　朝日山北之方江御飛被為遊
候ニ付、御厨子扉開キ居、諸人拝参ニ行近寄緩（爰の意カ）ニ拝し
候との事、
朝日山北ニ如来御飛被遊候間、紅白之幡相立候を近
在ニ而拝し候とて拝礼ニ罷出候もの数多有之由、一同
相唱、
一　楼門北之方中柱礎之処、弐寸坤之方江よ寄り椀木壱本
折候得共、其外無別条、尤屋根西之方ヒキク相成候
様みへ申候、
同石階下南側ニ銅夜灯不痛其儘ニ罷在、但し弐本共、
一　経蔵南石階痛、巻戸少しくじけ申候、
一　歳宮　御上家者不残倒れ、御本宮者少々痛斗り、
一　御供所も四五年前御建替有之処江、羅漢堂之羅漢并五
百羅漢之掛物御回向ニ付御飾付候処、右堂不残倒れ、
楼門下東之方羅漢堂ハ痛候得共不潰、羅漢像者痛之方有之、但し御供
所ニ而、御供水之上家桜小路品川和助寄附分潰ル
一　御蔵講会所潰
一　遺骨堂少々痛候得共不潰、地蔵尊御倒、
一　鐘楼堂少しも不痛、尤屋根瓦少し落掛ル
一　経蔵南秋葉宮不痛、上家潰ル、
一　楼門下敷石勧化（カ）所倒ル、其南続ニ先達而摂待所新規ニ
拵立候処、廿五日夜再地震ニ而潰ル、　願主者江戸之者
ニ而候由ニ而、右名代大門町増屋
大吉妹聟八作願人ニ成、摂待茶
をいたし候名目を養ニ仕、須坂
ニ而通年焼物いたし候間、三ツ葵
紋付之香炉或ハ茶碗を売候巧
ニ而、此度建申候、
一　六地蔵[尊金像|カナ]石垣并上家等崩れ、像も落申候得共不
痛、
宝暦ゟ安永迄上田在浦野宿一ノ沢之者発願之像
也、
一一（銅像之釈迦、石垣不損し、
同大地蔵尊
右上覆斗り倒ル、石垣不損、
一　社倉不潰、屋根瓦少し損、
一　如来縁倒銅夜灯折ル、
其外石夜灯御堂庭中ニ而数多有之分不残倒落、
銅地蔵尊、□出山積□、石台ゟ落ル、
一
一　大勧進様御門不痛、同辻番所潰ル、御門北塀崩ル、
御物見長家潰、但武右衛門ゟ東之方斗り、西者不潰、
御台所潰ル、御膳所同断、御玄関続御座敷向北江倒掛
ル、
一　万善堂、聖天堂、御内仏殿少し痛候得共格別之事無
之、
御堂内
一　護摩堂少し痛、
御蔵
一　駒（カ）が入橋左右之銅夜灯弐基倒れ、
一　二王門上左右之小間物見世其外不残焼失、
一　古御堂跡地蔵尊石台崩、像落居、
一　諏訪秋葉両社御上家者不及申、中宮共御焼失、西之松
木焼枯、東（ママ）東槐ハ枯切不申候、是ハ年数百年余経
候木也、
一　二王門、二王像初メ右裏西三宝大荒神、東三面大黒
天御焼失、二王門者不及申候、
此二王者　大日本仏師之最初廿六代京都庵正（カ）ト
申仁之作ニ而、御首ニ彫付有之、手紙ハ妻戸遍照
坊ニ有之、天和二年七月也、荒神大黒ハ伽羅木ニ而
東叡ニ第二世解祝院宮之御寄付と承ル、
此門前後左右ニ石夜灯四本有之処相倒ル、
弐本者南北念仏講之者廿八人ニ而宝暦中当町紺屋
小右衛門抔も割合金出し候趣、同人之同地ニ有
之候、此同地此度□者焼失、前弐本濃州岐阜、
一　二天前左右石垣崩ル、　此石垣ハ慶長年中吉田村善
敬寺開祖先達ニ而平林城之
石を運立候由、右寺之日記
ニ有之由申候、
一　同所御高礼場所崩倒、御高礼ハ□
一　同表并西之方ニ常灯明之大石籠有之処、
二基共倒ル、　文政十亥年江戸ゟ寄付、
兄部坊預り之分也、
一　大本願様表御門焼失、
但し、御門上ニ御物見有之、寛延四未年西
之門楼屋火事之節永井信濃守様ゟ被受候
上人様御代ニ御建ゆへ、御門之屋根ぐし
て（一品）之御紋付居
右北
御宝蔵不残焼失、
御玄関向者勿論御屋敷中不残御焼失、
御裏門南江倒れ
御廟塔不残倒ル、尤損し不申候、
鎮守稲荷宮御ふ難
御霊屋倒焼、御尊碑始御門等焼失、
御内仏殿焼失、入口之冠木門不焼其儘有、
名号堂　親鸞聖人御筆弐幅焼残、青山江
御持耒
右北之塀表御門塀惣而相残候処少も無之、
越前泰澄禅師作之立像阿弥陀壱躰御回向ニ付御玄関
北宝物披露、入口ニ飾置候処留守ニ被雇候、御門前香
木也、松右衛門持出し候、
衆徒
常念仏堂　宝林院老僧并常徳院□坊焼死、手伝人余
程死、
時之鐘焼落割申候、此鐘者安永七大勧進慈薫様之鉄
有之、
右本尊神身院中不残焼失、并右御長家不残焼、
此本尊此度御回向ニ付権堂村ノ茶屋中ニ而御像之御洗
濯、其外堂向修覆寄付いたし候、凡十弐両懸り候由、
此本尊之前之古本尊阿弥陀如来脇立善導大師法然上
人之像相残り候、此度之御回向柱者不焼、
念仏堂大門ニ六尺四方之小屋掛焼残り、古本尊之善
道法然之像飾仏（ママ）鉤奉納所と認板札打、西条徳兵衛様
之焼残之挑（ママ）灯を持行提置、
東側
一　□　二老福生院、住持無事、
一　弘法堂　吉祥院、焼死、
一　荒神堂　教授院、住持無事、
一　大日堂　常智院、住持無事、
右寺ゟ大勧進御世代之内重僖法印様御住職被遊候間、御
位牌等有之、猶又其所縁之もの位牌等有之候処不残焼、
一　曼陀羅堂　尊勝院、住持無事、
一　大日堂　堂奉行　蓮花院、住持無事、
一　釈迦堂　世尊院、住持無事、
右半之左之方御上背御とけ□ニ付、像如来堂中へ台（カ）ニ
乗持行、下陣之板間ニ捨置哀成始末ニ候、
一　大日堂　常住院、住持無事、
此院大日堂之額、佐々木文山之筆、
一　普賢堂　威徳院、同断、
一　五智堂　円乗院、同断、
一　三十三観音堂　玉照院、良性院看坊也
此院観音堂江認候額、佐々文山之レイ書也、
一　一　西側
一　薬師堂　最勝院、住持無事、本尊石薬師、尤裾半身
ハ木也、十弐神将等無怠出候得共、庭ニ野座
并四五年以前之銅地蔵尊一躰、先住須田法
印新造無事野座、
此院地北端ニ槐之樹有之、根廻り五廻り余中程ニ而三
がひ程有之、宝永年中当御本堂入仏之絵図ニも模様ニ
書乗有之候、みれハ三百年来之古木也、然ルに此度焼
倒申候、
一　立像文殊堂　徳寿院、住持無事、
一　当山如来本善堂　本覚院、住持無事、
此堂額者大勧進本孝法印様之御筆也、如来三尊、二へ（カ）
り有之候、阿闍利皇□影向之地有之処無別条、
一　十一面観音堂　長養院、堂奉行住持無事、
恵心僧都作也、
一　座像弁天堂　宝勝院、住持無事、
此像戸隠原ニ捨有候を持来候由、宝永之時ハ本尊、
一　准（准提カ）泥観音堂　良性院、三老住持無事、
秩父観世音と加州得水之筆也、
一　弥陀堂　薬王院、住持無事、上松村孫右衛門子也、
右親手伝ニ来居焼死、
此厨子者当町大竹や重左衛門之仏壇を持行居へ申候
訳ハ、香岸和尚ハ此家ゟ出被申候間、末々残様候ニて
持行、其代りニ新敷仏壇拵被置候、且又須坂殿様御作
之菅相烝たち之木像有之処、□天屋藤助御縁ニ付町
内ニ五日借り来候間不焼、
一　虚空蔵堂　光明院　住持初メ手伝之者壱人も不残焼
死、□西横町□□や半兵衛子、
当町大竹や十左衛門、
此額ハ宝永四年御本堂入師之節東叡山御名代僧正常
然之御筆也、
北郷村薬山薬師此院ニ先年ゟ預被置、四月□十日ハ
年々右山ニ而開帳有之、尤本仏ハ住持代り之節村役人
立会拝し候而已、定例ハ別薬師御越候、此度何れも御
焼失、
一　不動堂　常徳院　□坊宝林院方ニ罷在焼死、
中衆表並
一　庚申堂　堂照坊、住僧無事、
右本尊ハ二王作之大仏師康正（カ）作也、親鸞聖人□□名
号并御歯其外霊宝不残焼、
一　弁天堂　常明坊、住僧無事、母死、
一　八祖堂　白蓮坊、住僧死、妻死、
一　来迎堂　正智坊、住僧持家内不残死、
一　地蔵堂　兄部坊、住僧無事、
一　縁記堂　淵之坊、住僧初家内不残無事、此縁記者当山
之記縁也、播洲書写山性空上人参詣之時御染筆也、
誠ニ惜哉、其外一山之御記余程有之、公義ゟ拝領と申
伝候如来御絵伝も焼、且又町離ゟ妻戸江住職仕度申
出候節、右仲間ゟ侘書差出候事有之見候義有之、□
□□焼候、
一　弥陀院　常円坊、住僧無事、妻子死失、
表町西之方
一　善導堂
一　閻魔堂　鏡善坊、不残消失、
外ニ当山如来銅像有之、是ハ五六
百年前之作也惜哉、
外ニ大姥と申像先年岩石町岩倉三左衛門之井ゟ掘出
し候像ニ而至而古像也、此像ニ添閻摩像出来と申事也、
一　法然堂　正信坊
一　太子堂　浄願坊、此節無住ニ而留主居、右太子者御自
作鏡之御影と申、聖徳太子鏡をみて彫、如来江御縁因
有之御当山御霊宝之内ニ而霊験あらた成処此度消失、
東側上南
一　三仏堂　行連坊、住僧無事、
一　野村坊、住僧無事、
一　向仏坊、家内不残消死、
一
町方消失覚
一　大門町地主
白山社消失
午王社同断
一　東町不残消失、花屋孫兵衛土蔵残、
康楽寺本堂庫裏同断消失、
地中法蓮寺同断、
同　聞常寺同断、住持、
一　武井社末社松尾社三峯宮消失、
右斎藤宮丸後見養父伊織幼子連堂参帰り岩石小路
ニ而砂土下ニ成死、日を経て知ル、
横町
一　横町不残、町内割筋強、南北江割居ル、去年新造之市
神宮、
台石者其侭有、
一　東之門町不残、
伊勢町入口南角之神明社消失、
右者正徳二年此処江再建、其後追々造替立派ニ成義、
尤神明者正徳前ニ有、
御旅家大神宮、御本殿無難御上家半倒、
末社　金比羅宮　□里日宮
天神宮
疱瘡神宮
居宅不残消失、手代西市利三郎壁下ゟ出ル、翌日大神
宮川端村八幡社地江御移御仮座、
寛慶寺本堂庫裏不残焼本尊　表門向江倒懸居
住持　無事
一　伊勢町不残、町者南北江割筋付、
聖臨庵消失、
一　新町同断、同断いせ町ゟ割筋強く候、尤残家
一　岩石町同断、南北江割筋付、
岩石小路妻宮消失、社務丸山数馬死失、御本宮
虎石盤消失、近頃浄土律僧　罷出、修覆殊之外宜敷
相成候所焼、此律僧横山村松島屋留右衛門子也、
此庵開祖者浄性と申、宝暦八迄者右町庄屋ゟ年貢上
納、其后別段ニ壱軒前之者前別申候、妻祭主五右衛門
地内を分ヶ候也右印書此度拙者ニ而焼、
一　後町不残　栃木屋庄兵衛土蔵壱残、
一　西町古着屋佐兵衛裏同人抱屋敷長や不焼麦やニ、
一　西方寺本堂屋根瓦少し損し巻戸南之方痛庫裏倒、尤
潰切不申、台所潰死人、
土蔵不潰、
鎮守稲荷宮西江倒掛り、中宮無事、
鐘楼堂地形崩掛り、鐘□楼ハ不崩、
右地中震候間本尊其外裏畑江下、先御仮小屋立御引
越、四ツ頃御本座、
庫裏痛候間鐘楼西之方槐木を方取り、御仮小屋立被
居、方丈無事、
本堂前名号石祐天、徳本
紫雲石其外石塔不及申倒ル、
西方寺長や愍□宅潰れ候得共不燃、
下西町西側之紙屋藤助之抱屋敷裏長や不焼、
拙者抱屋敷表長家不燃、裏長家倒候へ共不燃、
銅（カ）子や平助居宅燃、裏長や不焼、いせや伝右衛門居
宅焼、裏長や不焼、
福や義右衛門居宅初同断、
新右衛門跡目□蔵居宅不焼候得共痛、
同人弟伝蔵同断、
右之近辺家ハ廿五日昼辺ゟ焼候間、銘々諸道具相応
ニ持出し候、東側壱軒も不残焼、上西町梅崎や藤吉ゟ
上之方東西ニ割筋付ル、下西町者無之
一　天神宮町上総や定吉居宅焼、裏土蔵を是迄座敷ニ用
置候所残ル、
天神社大門北側大門町江戸や市之丞抱屋敷残ル、日
を経て潰ル、
天神社御本宮御上宮共倒ル、
出火之夜拙者并万七同道ニ而罷越、尊躰御供養仕度
候所、上家材木多く殊ニ倒候とは不存何も不存向ニ
付無致方引退ねり塀表之方ゟ三間来て倒れ、裏之
方少し残ル、西之方塀不崩、
廿七日、右町七郎右衛門罷越、天神像并ニ御供同人
宅江御仮座、
有来之槐榎ひもろ木松梅諸木等右不痛、
同南側後喜島や藤三郎抱屋敷屋代与吉居宅倒掛ル、
同裏梅の湯是迄上り口衣類ぬき候所并岡湯遺候場之
屋根落候ニ付、即死怪我人等有之候得共、湯坪不痛
候、
一　駒屋大二郎居宅始長家倒掛候得共、不潰、
一　池田屋久右衛門表家潰、其次四竃残人之家、当人居
宅潰ル、其向家同断、
一　龍樹院護摩堂屋根少々痛候得共不潰、居宅其外貸家
潰ル、
一　東町屋根や岩吉抱屋敷不残潰ル、
一　専右衛門居宅之内向馬士家壱軒残候外潰ル、
一　菩薩や七郎右衛門不潰、
一　八蔵不潰、
一　紺屋喜そ八不崩、
一　岩や藤作居宅潰、其向貸家之紺屋久左衛門潰、其外
不潰、
一　安右衛門後家みつ潰ル、
一　長蔵不潰、
一　阿弥陀院町不残焼、
一　西之門町同断
一　桜小路蒔屋久兵衛土蔵残、
一　立町耕雲庵不潰、同東隣吉のや伊助不潰、
一　荒町いせや彦八表居宅焼、土蔵者残ル、外不残焼、
一　上西之門衆徒三院焼、町家不残、
一　横沢町
町々仮家覚
大門町西側上角
一　髪結扇屋助七
一　藤屋平左衛門死失屋敷跡江東横町小（ママ）持屋太兵衛平左
衛門跡目三人寄合ニ而小屋掛ル、
一　山屋喜兵衛屋敷表江小屋掛ヶ、右町第一番也、
一　塩屋太七同断、苧屋全助、右者八ッ迄也、あらや善八
塩屋幸作同居、永寿（カ）や左七、
東側
一　河内や和兵衛煮売初ル、拝当□、
東町
東側
西側
横町
東之門町
東側、伊勢町ゟ北ニ、南ニ四軒、角ニ髪結四軒
壱軒、堤見習、
西側
角や平左衛門壁土付、畳や栄助、
西町
四月十一日掛初メ　同
一　越前や権七裏庭之所江、
一　下西町近江や半兵衛、
十月ゟ大湯初、
一
阿弥陀院町
一　当右町平八抱屋敷屋代小松や豆ふ（カ）商新助右屋敷表並ニ
三間、裏行弐間、立
一　北側柏原宿□□屋徳左衛門抱屋敷地、是迄表並ゟ五
六間中江引家有之処、此度当右〃町紙屋定吉西町建具や
兵助立町菩薩や藤助、三人寄合ニ而表町並ニ立、
一　小松や久右衛門居宅裏ニ小屋掛ル、
一　高田や直吉
西之門町
西側梅木屋佐源治表並ゟ裏江入、
林屋利兵衛
西之門町之内御門前分
東側喜たや冨吉、喜たや庄兵衛、縁や伊兵衛、三人寄合
ニ而、
箸屋定八露店
先日三人寄之冨吉別ニ杉皮ニ而壁付残瓦ニ屋根葺壱人別ニ
成、
上西門
西側
馬島甚（カ）七居宅ニ仮小屋、南向、
桜小路
岩石町
伊勢町
新町
後町
西後町
権堂
一　本堂　一　三門　一　経蔵　右大破
一　二王門　焼失　一　御供所　一　御歳宮
一　御供水　右秋葉宮　右潰
一　鐘楼堂　右無事
外ニ万善堂、聖天堂、護摩堂、外ニ大勧進御院内之潰等御
書上ヶ之分□御院内諏訪宮、熊野宮消失、并毘沙門堂末社
愛染堂稲荷社潰之事、同水□殿焼失之事、
大勧進方不残焼失と御書上ヶ、
八町之内
一　弐千百九十四人内男女
一　寺領内箱清水村七瀬村
　三十五軒潰、
一　十四人現住四人、弟子弐人、召仕
　衆徒
一　三十三人現住四人、弟子四人、小児弐人、女十四人、召仕九人
中衆
一　壱人　現在　妻戸
一　四十四人十八人廿六人
　大勧進家来
〆九十弐人　内男三十七人女
内死失之人数
一　四十六人右者大本願家来　一　四十四人
右大本願門前町家
一　千弐百七十五人
右者町家
一　千廿九人
右者寺中并宿方止宿旅人死失人数
一　寺領内河原崎、非人小家
内三十五軒、
右焼失
一　死牛馬等一切無御座候
右―
岡島荘蔵殿
竹内金吾殿
山寺源大夫殿
磯田音門殿
信濃国水内郡大本願役人山極亦兵衛印
同国同郡大勧進役人今井磯右衛門印
右之通東叡山江御届ニ相成候事、