地震史料集テキストデータベース
[未校訂]本浦村
嘉永七寅十一月四日巳之刻前大地震搨子立巳之刻大津
浪ニ而家財流失并潰家半潰家諸事始末御上様江書上村方
扣
庄屋又右衛門
覚
一村方領分去ル四日巳ノ刻前大地震搨子立候節者家之瓦
落等ニ而格別之儀無御座候処引續巳之刻過大沖ゟ大津
浪押来リ村前ニ而渦巻直様打懸候事五六度就中四度目
之津浪高き事磯際ニ而凡弐丈位潮先寺門前石（ママ）檀中場迠
潮先来リ右ニ付破損所 御見分被下置候処左之通ニ御座
候
覚
一流失家 五拾六軒 本浦村
一同 壱軒 醫師
一同 壱軒 産物会所
一同土蔵 五ヶ所
一同納屋 弐拾壱軒
一潰家 五軒
一同土蔵 六ヶ所
一同納屋 壱軒
一半潰家 拾八軒
一同土蔵 五ヶ所
一流失米 弐百八拾俵位
一同籾種 弐百拾俵位
一御年貢御預リ米 八拾俵
一雑穀類 七拾俵位
一当小児死人壱人 今浦村
一流失家 三拾弐軒
一同郷土蔵 壱ヶ所
一同会所 壱軒
一同土蔵 三ヶ所
一同納屋 三拾壱軒
一同潰家 拾五軒
一同納屋 六軒
一半潰家 五軒
一同土蔵 八ヶ所
一流失米 弐百五拾俵位
一同籾種 弐百俵位
一御年貢御預リ米 八拾九俵
一雑穀類 五拾俵位
両村書込荒所覚
一田字□谷切堤切所 凡弐拾間位
一同同所川口切所 凡弐拾間位
一田同所地砂入 凡弐反位
一田同所地所々痛所有之
一田字板敷浦地堤切所 凡百弐拾間位
一田字板敷浦地堤切所 凡弐拾間位
一同同所凡五拾間位
一同同所土居大痛所 凡四拾間位
一田字大□浦地堤切所 凡五拾間位
一同同所凡七拾間位
一同凡百間位
一同同所凡弐百五拾間位
一田同所地砂入所 凡壱反位
一同同所土路入所 凡壱町位
一田字春扉浦地堤切所 凡三拾軒位
一同同所凡百弐拾間位
一同同所凡七拾間位
一田同所所土居所々大痛所 凡五拾間位
一田同所地砂入所 凡弐反位
一土同所路入所 凡壱町位
一同同所凡壱町五反位
右之木切ざくも色々□□ニ有之候
一田字大吉浦地土居切所 凡七拾間位
一田字大吉浦地堤切居 凡弐拾弐間位
一同同所凡四拾間位
一同同所凡五間位
一同同所土居切所 凡弐拾三間位
一同同所大痛 凡六拾間位
一田同所地土路入所 凡八反位
右之木切ざくも色々□ニ有之候
一畑字大吉浦土居切 凡四拾間位
一同同所土路入所 凡七反位
一田同所地土居切所 凡三拾間位
一田字白浜地大土居切所 凡三拾五間位
一田同所地砂入所 凡六反位
右堤水堀多分有之候得共汐引不申候ニ付相分リ不申
候
畑砂入所多分ニ御座候
一流失網納屋 弐ヶ所
一同 □切網 不残
一同 □引網 壱帖
一同 阿繰網 壱帖
一同 鯔小前網 凡四千五百端位
一同 ちょう船 凡五拾艘位
一流失明神御宮 壱宇 今浦村
右者拾ひ揚申候
一同転木三本
但三尺廻り壱本 杉木四尺廻り壱本松木五尺廻り壱本 玉木
右之通荒増相調子書附差上申候以上
嘉永七年寅十一月七日上納浦村百姓惣代六兵衛
源三郎
肝煎半蔵
同源右衛門
庄屋又右衛門
割元庄屋岩井弥三郎
御代官所有馬安太夫様
徒士御目附角熊文内様
右之通急キ御見分ニ付行届不申候ニ付荒増相調子上納仕
候以上
寅十一月七日
乍恐奉申上口上之覚
一当年宗旨御改之後本浦村百姓半助女子いわ女子げん召
連米吉女房呼入申候処去ル四日津浪之節山稼ニ参リ浜
端之田小屋江女子げん不正ニ入置候処大津浪ニ引流溺死
致候ニ付相改候処流失仕候哉死骸不相見ヘ候御尋ニ付奉
申上候処偽ケ間敷儀不申上候死骸之儀者相見ヘ申候
ハヽ勝手ニ葬リ候様被仰付難有奉存候以上
嘉永七年寅十一月今浦村百姓米吉
〃母
有馬安太夫様
角熊文内様
右米吉家内一同御尋ニ付奉申上候処私共承リ糺候通相
違無御座候以上
寅十一月浦村肝煎半蔵
同源右衛門
庄屋又右衛門
割元庄屋浦村庄屋兼岩井弥三郎
流失家之覚
一住家壱軒 産物会所 一住家壱軒 甚八
一住家壱軒 医師 一納屋壱軒 同人
一住家壱軒 三郎左衛門 一住家壱軒 彦五郎
一納屋壱軒 同人 一住家壱軒 惣四郎
一住家壱軒 善六 一住家壱軒 善兵衛
一住家壱軒 伝四郎 一住家壱軒 半助
一住家壱軒 弥助 一住家壱軒 清左衛門
一住家壱軒 善三郎 一住家壱軒 善五郎
一納屋壱軒 同人 一納屋壱軒 同人
一土蔵壱ヶ所 同人 一住家壱軒 善八
一住家壱軒 㐂兵衛 一住家壱軒 萬兵衛
一住家壱軒 兵助 一納屋壱軒 治郎八
一納屋壱軒 同人 一住家壱軒 孫（カ）助
一土蔵壱ヶ所 同人 一住家壱軒 吉治郎
一納屋壱軒 又左衛門 一住家壱軒 佐平
一住家壱軒 久吉 一住家壱軒 七三郎
一住家壱軒 治郎八 一納屋壱軒 同人
一住家壱軒 夘右衛門 一住家壱軒 八三郎
一住家壱軒 源三郎 一住家壱軒 長八
一納屋壱軒 同人 一住家壱軒 半治郎
一住家壱軒 六助 一住家壱軒 熊右衛門
一住家壱軒 治右衛門 一住家壱軒 惣三郎
一住家壱軒 作太郎 一住家壱軒 吉郎□
一納屋壱軒 弥右衛門 一納屋壱軒 清十郎
一住家壱軒 吉郎平 一住家壱軒 久治郎
一納屋壱軒 同人 一納屋壱軒 善太郎
一土蔵壱ヶ所 同人 一住家壱軒 七右衛門
一住家壱軒 弥五郎 一納屋壱軒 㐂助
一住家壱軒 藤三郎 一住家壱軒 㐂三郎
一住家壱軒 善右衛門 一納屋壱軒 久兵衛
一土蔵壱ヶ所 同人 一土蔵壱ヶ所 同人
一納屋壱軒 同人 一住家壱軒 定吉
一住家壱軒 三作 一納屋壱軒 同人
一納屋壱軒 同人 一納屋壱軒 長四郎
一住家壱軒 久兵衛 一住家壱軒 十郎兵衛
〆七拾軒
潰家覚
一住家壱軒 七五郎 一住家壱軒肝煎源右衛門
一土蔵壱ヶ所 善五郎 一土蔵壱ヶ所 同人
一住家壱軒 又左衛門 一土蔵壱ヶ所 七三郎
一土蔵壱ヶ所 同人 一住家壱軒 弥七
一土蔵壱ヶ所 治郎八 一納屋壱軒 甚五郎
一住家壱軒 弥右衛門 一住家壱軒 善太郎
一住家壱軒 市助 一土蔵壱ヶ所 同人
一住家壱軒 佐右衛門 一納屋壱軒 同人
一住家壱軒 清十郎 一住家壱軒 久五郎
一土蔵壱ヶ所 同人 一住家壱軒 㐂助
一住家壱軒 十助 一土蔵壱ヶ所 同人
一住家壱軒 長四郎 一住家壱軒 伊平
一土蔵壱ヶ所 同人 一住家壱軒 長太郎
一住家壱軒 林作 一住家壱軒 久作
一住家壱軒 仁左衛門
一住家壱軒 弥市
〆 三拾壱軒
一住家壱軒 権作
半潰家覚
一土蔵壱ヶ所 彦治郎 一土蔵壱ヶ所 甚吉
一住家壱軒 甚五郎 一住家壱軒 兵七
一土蔵壱ヶ所 同人 一土蔵壱ヶ所 弥右衛門
一住家壱軒 甚吉 一住家壱軒庄屋又右衛門
一納屋壱軒 同人 一納屋壱軒 同人
一土蔵壱ヶ所 又左衛門 一住家壱軒 弥治兵衛
一住家壱軒 兵蔵 一住家壱軒 久助
一住家壱軒 善五兵衛 一住家壱軒 七郎兵衛
一住家壱軒 藤吉
一住家壱軒 権太郎〆 拾九軒
一住家壱軒 仁左衛門
無事家之覚
一住家壱軒 権 助 一住家壱軒 武平
一住家壱軒 兵 蔵 一住家壱軒 藤蔵
一住家壱軒 林兵衛 一住家壱軒 長助
一土蔵壱ヶ所 同 人 一土蔵壱ヶ所 十郎兵衛
一納屋壱軒 同人 一土蔵壱ヶ所 林作
〆拾軒
右之通無事家ニ御座候ニ付此所江書出し申候以上
郷蔵入落米割符覚
（注、表にまとめる）
米
斗升合
2
21
25
21
21
25
22
1
25
2
12
2
2
15
2
15
15
2
11
15
1
1
1
2
27
1
15
16
3
2
5
35
〆
12俵3斗3升5合
家内
人
3
5
5
3
3
5
4
2
6
5
4
6
4
3
4
2
3
4
3
3
1
2
1
4
6
2
3
4
6
4
名前
善六
甚八
久助
彦五郎
伝四郎
弥助
清左エ門
万蔵
久吉
孫助
夘七
六助
治右エ門
作太郎
長八
八三郎
惣三郎
兵七
吉郎兵ヱ
藤三郎
兵蔵
七右エ門
久作
武平
藤蔵
長助
藤吉
善五兵ヱ
権作
利平
医師
御堂坊
右之通津浪ニ而家々流失仕候ニ付差懸リ飯米無御座候故
郷蔵ニ詰置候御上様御年貢米村中寄合之上ニ而名前之
者方ヘ家内応じ割符仕差懸リ露命相[僂申|ツナキ（一]候（ママ）郷蔵汐入ニ相
成濡米之儘相渡申候以上
寅十一月五日朝
覚
一御蔵米七拾九俵弐斗津浪ニ付流失家潰家之方御上様ゟ被下置候御米
内
米壱俵 別段庄屋方ヘ被下置候
引残米 七拾八俵弐斗
此割方
（注、以下にまとめる）
米壱俵
米三斗
米壱俵
米壱斗五升
名前
三郎左エ門 善六 甚八 七五郎
久助 彦五郎 惣四郎 弥助
伝四郎 善兵衛 善三郎 㐂兵衛
半五郎 清左エ門 兵五郎 善八
万蔵 兵助 五左エ門 治郎八
久吉 七三郎 孫助 肝煎源右エ門
吉治郎 佐平 夘右エ門 源三郎
六助 治右エ門 作太郎 長八
八三郎 半治郎 弥七 熊右エ門
惣三郎 弥右エ門 吉郎兵エ 吉良平
藤三郎 市助 佐右エ門 清十郎
重助 善太郎 久治郎 久五郎
七右エ門 㐂助 㐂三郎 善右エ門
久兵衛 定吉 三作 長四郎
利平 十郎兵エ 久作 林作
藤吉 善五兵エ 仁左エ門 権太郎
弥市 権作 伊兵エ 弥五郎
庄屋又右エ門 弥治兵エ 七郎兵エ 甚五郎
甚吉 兵七 兵蔵
堂坊飯米 地下飯米
権作（右者鳥羽ゟ村迠賃米）
7軒68軒〆
引残リ米弐俵三斗五升 地下ゟ預リ置申候
右之御米津浪ニ而流失ニ付御代官所様御見分之上御上
様ゟ御救として被下置候御米頭百姓立會ニ而軒別ニ割
符仕候以上
一津浪ニ付両村極難渋者ヘ被下置候御金
一金三拾六両壱分拾壱匁六ト七厘
内金弐拾弐両壱分三匁三リ 本浦村
金拾四両八匁六ト四リ 今浦村
金弐拾弐両壱歩ト三匁三リ
内
（注、次表にまとめる）
金
歩 匁 ト リ
3 15 7 1
3
2 8
2 6 2 2
2 5 2 2
2
1 9 4 2
1 13
1 8
1 6
1
名前
善六、吉左エ門、八三
郎後家、久治郎
久作、治右エ門、長八、
惣三郎、藤三郎、兵蔵、
林蔵、武平後家、藤吉、
七右エ門
清左エ門
久助、伝四郎
万蔵、市助
作太郎、藤蔵、林作、
弥五郎
弥七、佐右エ門、利平、
彦五郎、七助
六助
善五兵エ
善蔵、孫助、夘右エ門、
兵七、㐂三郎、長助、
伊兵エ、弥市
権助
〆 39軒
右之通津浪ニ付御上様ゟ極難澁者御尋被遊候ニ付村方
寄合之上ニ而極難上中下准之相調子家内人数相改両村
共願書差上候処右之御金御救として被下置候村方頭百
姓立會ニ而割符仕候仔細儀者下書ニ有之候以上
安政二年
卯正月
覚
一御米拾五俵 中難者ヘ被下置候御米
此割符
米四俵壱斗壱升三郎左エ門 甚八惣四郎 弥助善兵エ 㐂兵エ半蔵 〆七軒
米壱俵三斗吉治郎 治郎八佐平 源三郎〆四軒
米三俵弐升半治郎 吉郎兵エ熊右エ門 吉郎平〆四軒
米弐俵壱斗八升清三郎 佐治兵エ㐂助 三作〆四軒
米壱俵三斗四升十郎兵エ 権作九助 〆三軒
米壱俵 寺
米弐斗 下賄方飯米
〆
右之通御上様ゟ津浪ニ付中難御尋被遊頭百姓立會ニ而
上中下准之相調子右之米割符仕候以上
安政二年
夘二月六日
一御米六拾俵津浪ニ付田地荒所江被下置候御米
此割方四分六分割を以割符仕候
内
（注、左表にまとめる）
米
俵 斗 升 合
7 6
1 9
7 9 8
3 2 6
1 5
2 3 4
3 3 9 6
1 3 1
3 4 2
1 8 2
3 4 2
4 5.6
2 2 8
1 5 6
2 3 4
1 1 4
1 5 6
1 3 9 8
3 3 6 5.6
3 4
1 1 4
3 2 9 2
3 8
3 4
1 1 4
1 9
4 3
2 2 8
3 1 2
3 8
1 5
1 8 2
7 6
9 1
4 6
3 8
3
2
1 5
10
3
名前
七三郎権助
仁佐エ門
七五郎
吉郎兵エ
㐂助
善太郎
孫助
清十郎
弥市
権太郎
兵蔵
吉治郎
半五郎
久兵衛
三郎左エ門
佐平
庄屋又右エ門
又左エ門
兵五郎
弥五郎
吉郎平
七郎兵エ
佐治兵エ
熊右エ門
善右エ門
甚五郎
源右エ門
善三郎
甚吉
同人帳落
兵助
甚八
惣四郎
源三郎
長四郎
新田三ヶ所
（平方壱ヶ所、
土□弐ヶ所）
七五郎
（大土居大痛
ニ付）
兵七（運ちん）
地下
惣代賄方
外ニ
一米壱俵 ほうびニ遺ス
右者津浪之節御氏神様山之神様網之神様御高札場宮々
とも世話被成候者方へほうびとして遺し申候
〆
右之御米津浪ニ付田地荒所御上様ゟ御見分被遊候上ニ
而御救として被下置候御米頭百姓立會ニ而四分六分割
を以割符仕候仔細儀者立小帳面ニ有之候以上
安政二年
卯二月四日
覚
一御上様御奥（カ）様ゟ極々難渋者ヘ被下候御綿入物
（ハリガミ）一綿入壱枚 権四郎 一綿入壱枚 林蔵
一同 吉八 一同 藤六
一同 惣兵衛 一同 久助
一同 佐右衛門 一同 善五兵エ
右之通極々難渋者御尋ニ付両村共相調子書附差上候処
御奥様ゟ綿入被下置候ニ付難有頂戴仕候
（ハリガミ）
久作後家
權四郎
藤三郎
藤蔵
藤六
林蔵後家
伝四郎
吉八
〆八軒
右者三冊有之候ニ付本紙相分兼候ニ付
御尋申上候 以上
卯三月改
清左衛門
善六
㐂左衛門
吉八
嬬きく
惣兵衛
藤三郎
林蔵
久四郎
〆九軒
覚
一寅御年貢郷蔵御詰預リ御米之内
御米百六拾九俵 内米八拾俵 本浦村ゟ米八拾九俵 今浦村ゟ
右之御米御年貢仕立中ニ而流失仕候与村中寄合之上ニ而
両村共申談事弥流失致候与申偽リ御上様江願書差上候処
御憐愍を以半高米八拾四俵弐斗村方江被下ニ相成米八
拾四俵弐斗御上納被仰付難有御請仕候
一本浦村分八拾俵之内残リ米六拾俵濡米ニ御座候ニ付五組
江割符仕蒸米ニ致御蔵江詰置夘正月組々江割符仕候但し
貸附米ニ御座候
覚
一蒸米拾弐俵 常之腰 一蒸米拾弐俵 谷組
一同 拾弐俵 里組 一同 拾弐俵 小浜組
一同 拾弐俵 中組 〆六拾俵
右之通割符仕候間以後御上様御上納被仰付候節者御蔵
米四拾俵仕立御上納可致候以上
一村中いさば船とつぺ船ちよろ船之事若大地震搨子立大
津浪ニ相成候節者村中相心得ニ而御山様下ゟ中之浜室
﨑田之尻迠之浜之右之船[絆|ツナキ]置候ハヽ壱艘も流失無御
座候其外之江絆置候ハヽ壱艘も無事船無御座候皆々流
失ニ相成候間是第一之儀ニ御座候小前（迄、カ）末□得（カ）等相心得
可被成候
一津浪ニ付両村田畑浪荒之場所三役人衆立會ニ而見分仕
小検見同様之帳面ニ相認メ御上様へ差上申候処御代官
所様御勘定所様御出張被遊小検見同様ニ御見分相済申
候
一村方地下難渋ニ付諸色産物ニ相成賣方相頼賣々仕候処
大津浪ニ而品物多分流失仕候
一地下網納屋之儀者山之神様前ニ有之候処津浪ニ而不残
流失ニ相成候ニ付村中談事之上無♠御堂高見江健（ママ）置申候
年久相立物事相忘れ候而不自由抔と申談事浜端江健（ママ）替
申候儀決而相成不申候右（ママ）ニ御承知可被成候
一米惣差引残り米 拾俵 地下
右代金四両ト四匁也 請取ニ入
但し直段蒸米壱俵ニ付代弐拾六匁替
御上様ゟ御下り直段
右之通相調子候処以来為心得庄屋役代り之節者村中一
座ニ寄合念入為續聞可被下候
猶又其節々之役人衆中虫干第一ニ御頼申上候年久敷相
立若虫入ニ相成文字相訳リ兼候節者其時之庄屋衆中書
替可被下候様是又第一ニ御頼申上候 猶又仔細儀者下
帳ニ有之候間御承知可被下候仍而如件
安政二年
夘三月
本浦村庄屋又右衛門
肝煎弥左衛門
惣代源三郎
賄本吉郎平
後見善太郎
年寄権作
同甚八
同半治郎
覚
一津浪大帳 壱冊
一同 立帳 壱冊 但し五冊詰
一同 横長 壱冊 但し拾壱冊詰
一同田方荒調子帳 壱冊
一同畑方同断 壱冊
〆五冊
右之通御座候 以上
卯五月改之庄屋又右衛門