[未校訂] 安政五年二月二十六日には加賀・越前あたりを震源と
する地震が発生し、福井では城廻りに損所が出たほか領
内在方では潰家一七軒、半潰八一軒、山崩れ九四か所な
どの被害が出た(「家譜」)。丸岡では「御城大破」といわれ
るように石垣がくずれたほか、城下の寺にも被害が出た
(「藤原有馬世譜」)。勝山では潰家はなかったが、傾いたり壁が落
ちたりした家や土蔵が多かった。このため町在では「皆々
野陣取、夜分家之下ニ臥シ候者」は一人もなかったとい
う。その後、三月十日頃まで揺れが続いたようだ(松屋文書)。