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項目 内容
ID J2601641
西暦(綱文)
(グレゴリオ暦)
1896/08/31
和暦 明治二十九年八月三十一日
綱文 明治二十九年八月三十一日(一八九六)〔秋田・岩手〕
書名 〔大曲市史 第一巻 資料編〕大曲市編S59・5・3 大曲市史頒布会発行五四四 〔真昼地震記録〕
本文
[未校訂]明治二十九年 秋田震災誌
大震當時の概況
○大曲町
 八月二十三日午後三時三十分より一分間の弱震あり始
め上下動にして後地平動となる同二十五日午前五時二十
五分より又一分間の弱震起り鳴響を聞く同三十一日午前
八時五十五分鳴響を聞くと共に忽ち震動し強震一分間に
て静止せり同日午後五時に至り最も甚しき鳴響雷聲の如
きを聞くと均しく烈震となり凡そ三分間の震動東西北の
水平動及ひ上下動なり其震力劇烈なりしに依り家屋動揺
し屋上の瓦石飛散し架上の物品什具顛落し其音響物凄ま
じく老幼婦女は勿論毎戸の士民悉く屋外に逃走難を避く
家屋の毀損六・七戸に止りたるも倉庫は過半龜裂崩壊す
丸子川は平水より五尺餘増水となり井水皆濁る人畜に死
亡なきも多少負傷者あり幸ひに點燈時刻ならざるを以て
出火を見るに至らす翌日九月一日に至るも微震止まず實
に同地未曾有の激震なり
○角間川町
 同月三十一日朝来暴風吹き荒み不穏の天候なりしが午
前七時頃西方より地下鳴動し来り幾回となく強弱震あり
人心動揺すこぶる恐懼を抱きつつありしが午後五時十分
に至り一大劇震あり三分時間に建家什器の被害は更なり
地盤は處々南北に龜裂し泥水を噴出し其の甚しきは直徑
殆んと四尺餘人民皆な屋外に駈出て悲鳴の聲凄ましく惨
憺たる光景名状すへからず爾来微震尚ほ止まざるを以て
人々路上に板を敷き避難せり而して震動は雄物川を界と
し東部は強く西部は弱かりき
被害の概況
大曲町
 家屋全潰百十八戸半潰百五十戸破損八百五十八戸土蔵
は全部龜裂を生じ若くは壁土剝落せり各官衙は民家に比
し被害少なきも一として全きなし警察署の硝子窓は悉く
外れ微塵に砕け大曲區裁判所の二階玄關は全部潰落せ
り。
花館村
 家屋一棟潰倒す(佐藤定吉居宅)土蔵の破損二、三にし
て軽傷者一人あり又陸羽街道字上佐渡延長凡そ七間同中
野下川原延長凡そ十五間同柳原字西裏地延長凡そ三百間
其外数ヶ所龜裂せり。
角間川町
 全潰家屋五十二半潰家屋十二破損六百〇五にして柱折
れ梁挫け幾等修繕を加ふるも将来住居の見込なきもの多
し其他倉庫の破壊数多にして負傷者男九人女四人
戸数と潰家戸数との割合
町村名
戸数
全潰半潰
合戸数
全戸数に對する全潰半潰の割合
仙北郡藤木村
同大曲町
同四ツ屋村
同大川西根村
同花館村
平鹿郡角間川町
三八九
一、四八七
四七三
二九六
四三〇

五八四
一九五
九八一


五三
5割
一(ママ)割六分
一分九厘
七厘
一厘
九分
五四五 (角間川町土木補助費申請)
明治三十年 角間川町復旧工事書類(震害)
土木補助費申請
一金 九百八拾貮圓貮拾五錢四厘 治水堤防費
内譯
金貮百四拾六圓七拾錢九厘 町負擔額
金六百三拾五圓五拾四錢五厘 補助申請額

金六百三十五圓五十四錢也 治水堤防補助費
右ハ明治三十年縣令第十九號町村土木補助規則ニ依リ本
町震害復舊土木費二十九年度ニ於テ御補助相成度旨申請
致シ候所實施設計ノ結果別紙調書ノ通ニ相成候ニ付更ニ
三十年度ニ於テ工事執行致度候間右土木費御補助相成度
町會ノ決議ヲ經比段申請候也
平鹿郡角間川町長代理
明治三十年六月九日 助役 芦田道義
秋田縣知事 岩男三郎殿
出典 日本の歴史地震史料 拾遺
ページ 403
備考 本文欄に[未校訂]が付されているものは、史料集を高精度OCRで等でテキスト化した結果であり、研究者による校訂を経ていないテキストです。信頼性の低い史料や記述が含まれている場合があります。
都道府県 秋田
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