地震史料集テキストデータベース
[未校訂]覚
一天守傾申候、瓦を取、ひすミを直し、修覆仕度奉存候
一矢倉合拾壱内 二階矢倉三ツ破損仕候間修覆仕度奉存候
三階の矢倉三ツ、内弐ツハ在来候所ニ建直申度奉存
候、壱ツハ古へ本丸東の方ニ有之候矢倉本丸南の平
へ建直シ申度奉存候、二階の矢倉弐ツ之内壱ツハ在
来候所ニ建直し申度候、壱ツハ古へ本丸西南の角ニ
在之候矢倉本丸南東之角ニ建申度奉存候、新規之二
階矢倉壱ツ本丸東之平ニ建申度候、新規之二階矢倉
弐ツ二之丸南東之角ニ壱ツと西南之角ニ壱ツ建申度
奉存候
都合矢倉数拾壱、内八ツハ建直、三ツハ新規、此内七
ツハ本丸之分、弐ツハ二之丸之分、弐ツハ北之丸城米
曲輪
一二階門合八ツ内 弐ツハ致破損候間修覆仕度奉存候、残六
ツハ崩申候間建申度奉存候、此内四ツハ在来候所ニ
建申度候、壱ツハ前庭本丸より帯曲輪へ出候所之口
ニ御座候門、本丸南之口新規之廊下橋へ出候所ニ建
申度奉存候、壱ツハ前庭本丸西之口ニ御座候門、新
規之二之丸口ニ建申度奉存候
都合二階門八ツ、内弐ツハ修覆、四ツハ在来候所、弐
ツハ新規之所、此内弐ツ本丸之分、壱ツハ二之丸之
分、五ツハ三之丸之分
一衛門拾之内 六ツハ破損仕候間修覆仕度奉存候、残四ツ之
内壱ツハ在来候所ニ建直申度奉存候、弐ツハ前庭廊
下橋両方之口ニ御座候を新規之廊下橋両方之口ニ建
申度奉存候、壱ツハ帯曲輪ニ御座候を三之丸入口ニ
建申度奉存候
都合衛門拾、内六ツハ修理、壱ツハ在来候所、三ツハ
新規之所、此内四ツハ本丸之分、壱ツハ二之丸之分、
壱ツハ北之丸城米曲輪、四ツハ三之丸之分
一水門合四ツ内 壱ツハ破損致候間修覆仕度候、三ツハ崩申
候間建直申度奉存候、此内二ツハ在来候所、壱ツハ
二之丸南之方新規之所ニ建申度奉存候
都合水門四、内壱ツハ修覆、弐ツハ建直、壱ツハ新規
覚
（b）図
（a）図
之所、此内壱ツハ本丸、□□□二之丸、壱ツハ□北之
丸城米曲輪、壱ツハ三之丸
一多門合百拾間内 七拾間半崩申候間如前建直申度候、三拾
三間半ハ本丸南之角折廻ニ新規ニ建申度奉存候、建
直新規共々本丸之分
一瓦塀合五百四拾六間内 百九拾壱間半ハ本丸之分、此内七
拾七間半ハ新規、百拾四間掛直、弐百四拾壱間ハ二
之丸之分新規ニ掛申度奉存候、百拾三間半所々ニ而
掛直申度候
都合瓦塀五百四拾六間、内三百拾八間半ハ新規、弐百
弐拾七間半ハ掛直シ 此内百九拾壱間半ハ本丸之分、弐
百四拾壱間ハ二之丸之分、百
拾三間半ハ三之丸内所々ニ而
掛直
一時之太鼓二階壱ツ、時之鐘つき二階壱ツ致破損候間修覆仕
度奉存候、此内壱ツハ本丸、壱ツハ三之丸
一廊下橋一ケ所長拾間、前庭本丸と二之丸之間ニ御座候を新
規之本丸と二之丸之間ニ掛申度奉存候
一石垣合四百拾三間内 四拾八間ハ本丸之分、此内四拾壱間
ハ新規ニ築申度奉存候、七間ハ築直し申度奉存候、
三百九間ハ二之丸之分、此内弐百五拾五間ハ新規ニ
築申度奉存候、内百拾九間ハ水たゝき也、五拾四間
ハ築直シ、五拾六間ハ所々ニ而築直申度奉存候
都合石垣四百拾三間、内弐百九拾六間新規、百拾七間
築直シ、此内四拾八間ハ本丸之分、三百九間ハ二之丸
之分、五拾六間ハ三之丸之内所々築直
一上石直申候石垣二ケ所内 壱ケ所ハ最前帯曲輪ニ而石垣ひ
きく御座候ニ付長四拾八間高六尺築上申度奉存候、
壱ケ所ハ本丸西之多門下矢倉台共ニ廿六間所々上石
落申候間繕三尺通築上申度奉存候
一二之丸西南折廻新堀長百拾六間、内四拾六間ハ堀はし拾三
間、七拾間ハ堀はゝ拾間新規ニほり申度奉存候
右破損之所并新規之所、絵図之通連々を以普請仕度奉存候
以上
寛文弐年壬寅七月廿八日
本多下総守（花押）
（注、この「覚」は一七〇頁の図（b）の裏に記載されていたものである。また、（a）図は地震前の膳所城の絵図に被害状況を書き入れたもの。（b）図は修覆計画の図である）