地震史料集テキストデータベース
[未校訂]七四 弘化四年三月 大地震にて溜池堤破損につき届書
乍恐以書附用水溜堤痛方御注進奉申上候事
一字上割溜
是は堤南繩手南北六拾間程之内、中程南北四拾間程馬踏表
疵付申候、是又水表脇付之内八尺程下り、水中南北弐拾間
程割疵付申候、右上ニ四尺程下り、水中南北四拾間程割疵
申候、馬踏表中程弐拾間位、凡壱尺余沈申候
一字獅子頭溜
是は堤苗手東西弐拾間程之内、拾五間程馬踏表五寸位下り
申候、且又水表水中壱尺程下り、東西拾五間程も疵付申候
一字仏供田溜
是は堤苗手東西三拾間程之内、中程拾五間程馬踏表七、八
寸も引下り申候、且又水表水中壱尺程下り、東西拾五間位
割疵付申候
一字金剛池溜
是は当時無難ニ相見候
右は水組五ケ村用水溜四ケ所之内、昨廿四日夜大地震ニ而三
ケ溜疵所書面之通りニ御座候、依之御注進奉申上候、尤水組
村々早速相集取繕ニ取懸り申候、右之段御届奉申上候 以上
梶村
大滝新田
西野嶋村
田尻村
山方村
右五ケ村惣代
八幡組梶付庄屋仮役
友右衛門
弘化四年三月廿五日
御奉行所
郡御奉行所
大肝煎所
（中頸城郡吉川町 大滝せい氏所蔵）
七五 安政二年十一月 大滝新田他四か村水組溜復旧届書
乍恐以書附御届奉申上候
梶村
大滝新田
西野嶋田尻村
（山方村脱カ）一用水字仏供田溜 水組
一同 金剛池溜 右同断
一同 獅子頭溜 右同断
一同上割溜 水組 梶村
大滝新田
西ノ嶋村
田尻村
山方村
右は水組五ケ村用水溜四ケ所、堤繩手去ル弘化四年大地震ニ
付破損いたし、年々四ケ溜繩手一通り普請皆出来仕候ニ付、
此段以書附御届ケ奉申上候 以上
安政二卯年 水組五ケ村
十一月 惣代梶村
庄屋 友右衛門印
郡御奉行所
前書之通り 八幡組
大肝煎
田中留六
右届書卯十一月十二日 前田様江差上申候
庄屋 友右衛門
（中頸城郡吉川町 大滝せい氏所蔵）