地震史料集テキストデータベース

[未校訂]嘉永七年（安政元年）十一月四日の地震については、やはり
善入寺の文書に次のごとく記されている。
「嘉永七寅年安政元ニ改寅十一月四日朝四ツ時、地震半時
バカリ西ヨリ東エユル。又五日七ツ時大ニユル。後鳴事甚
シ。其時所所エツナ浪来。小松島焼、徳島[内町|ウチマチ]大火、橘浦
クグイ[牟岐湯岐|ムギユキ]キゝ（木岐）ツナ浪ニテ大痛。ツナ浪ノ時ニハ[泉無|イズミナキ]
[様|ヨウ]ニ[成|ナル]事ウソニテ無事当院門下泉水少モナキ様相成、其後
四月程シテ水元ノ如[成|ナリ]、石原ニ高坊崩御城ヨリ北ニ寺院八
十四ケ院崩。助任弘寺（弘誓寺）万寺（万福寺）蓮寺（蓮華寺）東照別宮八幡神宮寺、
[吉成|ヨシナリ]古川沖島[別宮|ベツク]右四ケ村大痛。其余痛書[遑|イトマ]ナシ。東都大地震ハ
卯年十月二日大坂ハ当国ト同時ナリ」