地震史料集テキストデータベース

[未校訂]（端裏書）
（文久二）
「戌十二月十九日御聞済
大野郷小川郷山内薪木呂稼吉城郷
小鷹利郷山内江場所操遣稼願書」
乍恐以書付奉願上候
御当国白川郷村々山内去ル午年地震之節山々相崩、生立雑木
押出罷在候ニ付、其儘捨置候も無勿躰次第ニ存候間、薪木呂
ニ取立国境払奉願上候得は御見分之上稼方被　仰付候間　加
州様御領分国境払方仕度、彼地江罷越杣之者相雇入山之手配
仕候所昨酉年加州様御触達御座候義は時節柄ニ付御領分之者
他国出稼壱人も不相成厳重御取締向被　仰出候ニ付、引合候
杣之者無拠相断申参迷惑仕再々応示談ニおもひ候得共相整不
申心配仕候義ニ御座候、尤白川筋之義は辺地山坂越道路悪敷
日用飯米高山表ゟ相送り候は持運ひ片駄賃之事故存外高直ニ
山着仕、当ニ相成兼、夫故加州様御領分杣雇入召使候得は日用
之飯米無差支相登可申見込之処、手筈相違仕右山内薪木呂伐
出差支伺共奉恐入候義ニ御座候、依之奉願上候は先般奉書上
候通吉城郡万波山内ニはいまた稼残り之震災木夥敷御座候
間、同所江繰替稼方被　仰付被成下置度左候得は兼而御請奉
申上置候御払御代金無滞上納相成、重々難有仕合奉存候、何
卒御慈悲を以右願之通繰替稼方御聞済被成下置候様偏ニ奉願
上候　以上
文久弐戌年十二月
山方惣代
小坂落合村
平左衛門㊞
同断
大洞村
久治郎㊞
同断
湯屋村
弥七郎㊞
同断
一之宿村
新蔵㊞
同断
宮之前村
久兵衛㊞
同断
一之宿村
治左衛門㊞
同断
中洞村
興七㊞
高山
御役所