地震史料集テキストデータベース
[未校訂]安政三辰年七月
以書付奉願上候
去卯十月中地震強、江戸表
御上屋鋪様潰之上御類焼被為遊奉恐入候、就而は不容易余
時、御物入之段深奉恐察、何卒御国恩為冥加、聊御上金奉願
度奉存候処、本尊江戸出開帳奉願候折柄差扣罷在候、右開帳
以 御威光無滞相済、去月下旬帰寺仕候処、此度御領分於村
々、御国恩金御上納仕候旨承知仕候、然ル処拙寺儀は 御領
主様ニ而前々不成一方奉蒙御重恩罷在候ニ付、依之金百両御
上納金仕、外金五拾両は恐多御願ニは御座候得共、為御茶箸
料 御手元江献上仕度奉存候、右願之通被 仰付被下置候ハ
ゝ難有仕合奉存候 以上
辰 成田村
七月 新勝寺
御役所
一十一月九日兼而佐倉江御願之上、去冬地震其上御類焼ニ
付、為御国恩冥加御上納金百両目木台付、外ニ御茶箸料金
五拾両
御手元江御上ケ被成、院主持参ニ而御上納相済候事
一公儀御本丸炎上ニ付、当二月依御触国々寺院ゟ為御国恩献
金致し候ニ付、此度御蔵前旅宿江差廻、御掛寺社御奉行所
上納相済
乍恐以書付奉願上候
下総国埴生郡成田村新勝寺奉申上候、今般御国恩為冥加拙寺
并門末ゟ聊ニ而奉恐入候得共、別紙帳面之通金弐百壱両弐分
奉献金度奉存候間、何卒以御慈悲宜御沙汰奉願上候 以上
下総国埴生郡成田村
万延元申年十一月 新勝寺
寺社
御奉行所（注、こゝまで同文の「弥勒寺様御役者中」宛の文書、省略）
一金弐百両
下総国埴生郡成田村
本寺
新勝寺
一金弐分
同国同郡同村
末寺
延命院
一金壱歩弐朱
同国同郡同村
門徒
正福院
一金三朱
同国同郡同村
門徒
観音院
一金三朱
同国同郡同村
同
無住 返照院
一金弐朱
同国同郡郷部村
同
神光寺
一金弐朱
同国印旛郡公津新田
同
無住円応寺
〆金弐百壱両弐歩也
右は今般 御本丸御普請ニ付、為
御国恩冥加拙寺并門末聊ニ而奉恐入候得共、書面之通献金
仕度奉存候間、宜御沙汰奉願上候 以上
下総国埴生郡成田村
万延元申年十一月 新勝寺印
寺社
御奉行所
「献金上納帳
下総国埴生郡成田村
新勝寺」
請取申金子之事
一金弐百壱両弐分但し下総国埴生郡成田村新勝寺外末寺・門徒共七ケ寺弐封
右は此度御普請ニ付為冥加上納之分、書面之通請取申処、仍
而如件
水野左近将監内
万延元庚申年 升上宋男印
十一月廿四日
新勝寺殿