[未校訂]京都大地震(24×34センチメートル)
山名隆三氏蔵
当月二日七ツ前の事なるが〽京都ハ大仏のうしろすべり
石の
山つゝきより〽大風吹出し竹ぼくの枝をれ、人家の家瓦
を吹
おとすとおもひしニ〽清水のかた大ヰニ地なり出し〽ら
く中
らくぐわい、いつとふニ大地しんとなり〽二日のひる下
りよりなり
出し一夜之間ゆりしづまらず〽大仏門前大石かけだし弐
三ケ
所も吹出し五条坂ヤキ物店ハま事ニ木のはのちる如く
はし〳〵の人家ハこと〴〵くゆりすへ〽宮寺鳥居堂塔□
上ケて
かぞへがたし〽別而江州ハ湖水ちかく亀山きん在かい
道かたわきの人家ハミな〳〵ゆりすへ〽地われ大水
なかれ人民牛馬犬猫ニいたる迄ただ〳〵かのなく如く
〽みる目あわれ成ニしのむら一在ハ凡六百余軒の所ミな
〳〵
ゆりすへ〽やう〳〵と百余軒のこりし事
人々のそんじも是ニておもひ合すべし〽病人さん家
老人などハ真とニあわててけがもあり〽近来珍らしき大
地
しん〽とかく世の中にこわいものハ地しんかミなり火事
と親父と
申事御わすれなく〽御用心第一火の元ニ気ヲつけ川原か
ひろき野ニ畳ヲ敷ならへ家内召連はや〳〵御立のき
被成候て〽神仏ヲ御信心被成候第一なりとむかしの
伏見の大地震をふるい人の御□□なり候〳〵