地震史料集テキストデータベース

[未校訂]宝永四丁亥年従三月至十二月
十月
四日　晴
一未の上刻地震に付御城中見分に大目付各務八郎太夫其外
御作事方役人罷出候、御城内惣輪并御対面所御破損等無
之候、当国にては終に覚不申　強地震に候
五日　晴
一巳の中刻江戸江御飛脚罷立候、昨四日強地震候処御城内
其外御対面所御別条無之旨為御注進（後略）
八日　晴
一去四日地震にて御領分在万破損の注進書如左
湯本村三郎左衛門触の内
一上徳山村家壱軒三尺斗ころき其外戸かへ痛がつしやうな
と放れ古家の分少宛ころき数々御座候
廿四日　曇
一江戸表去る四日未の刻同翌五日夘の刻過余程強地震の由
京・大坂・紀州・遠州・駿州・信州其外も同日強地震の
由申来ル
廿五日　晴
一去る四日大坂表地震并高汐に付町中潰家死人落橋潰船の
書付長坂五右衛門方ゟ来ル
一潰家　九百九十三軒
一同蔵　弐十九ケ所
一同納屋　六十九ケ所
是は川端の浜蔵
一同小屋　十四軒
是は町人屋敷の内に有之候分
一落橋　三十壱ケ所
一潰門　百八十ケ所
一破舟并潰舟　七百弐十三艘
一死人　五百四拾壱人男女共
右は町御奉行所御改の書付に御座候其外死人は当所□地無
御座川の多所故諸人不取敢乗船の者多御座候所地震間も無
御座川□ゟ高汐差込元舟共綱ゆり切川上江押上け候付川筋
の舟々橋々押崩又は共舟当合破船仕高汐の時節大分溺死多
相聞申候得共軽ものは死骸之穿鑿も此節不仕候故右書付の
外死人は大分有之様に相聞申候　以上
十一月
朔日　晴
一大坂木村九郎兵衛方ゟ去月廿四日の書状大目付方迄到
来、高野山大徳院留守居真光院ゟ先月十八日の状町便に
而九兵衛（ママ）方に相達候由去月四日大地震高野山も終無之強
事の由所々少々宛破損有之候得共　浄光院様御卵塔少も
破損無之旨真光院方ゟ注進有之候に付右の段注進申上候
旨に而便状を以申遣、右之状御用番与兵衛迄大目付ゟ指
遣候