地震史料集テキストデータベース
[未校訂]（元禄七戌留書）
（五月）廿七日
一天気上上吉、今朝六つ半過ニ一度少地震ゆり、夫ゟ間も
なく強ク動候、近年無之地震ゆり申候、夫ゟ暮迄ニ少筒
（ママ）二十二度動申候、尤我等も一両度御表へ又ハ御黒石様へ
被参申候、家中も尤組下も五つ過ニ機嫌窺に出申候也、
番八兵衛、嘉右衛門、清之介、幸右衛門、藤之助也
（中略）
廿八日
一天気上々吉、夜明候而二度少つゝ地震動申候、番八兵
衛、定右衛門、連右衛門、藤八也、弥太郎右衛門明日出
候と申休セ申候、弥明後晦日ニ横手へ参候故今日清之介
を呼荷物詰申候也、供之小姓ハ嘉右衛門、清之介、類右
衛門也
一今日も地震少つゝ五六度もゆり申候也、今晩山屋しきに
て弓御座候也
廿九日
一天気上上吉、今日も地震少つゝ度〳〵ゆり申候、番弥太
郎右衛門、幸右衛門、藤八也、弥明日此方未明ニ立横手
へ参候也
（中略）
閏五月三日
一久保田去廿七日之地震此方抔ゟハ余程つよく町之蔵かべ
大方落申候
一野代ニてハ火事出候最中地震故つよくゆり人馬沢山死候
由
一檜山もつよくゆり家損人も少し死候由、其外鶴形抔もゆ
りつよく候由、二三十年も無之地震候由下筋ニてハ申候
由ニ候、未しかとハ知不申候、野代町十町余も焼失申候
由ニ候也
四日
一天気上上吉、明日叔母様ゟ檜山へ地震ニ付飛脚ニて将監
夫婦へ書状越申候
一野代ハ殊之ほか強候由、折ふし出火ニて家焼失残候ハ地
震ニて破レ無残損シ以之外成事ニ候、檜山も強クゆり家
四十間程破候由及承候、一日市、森岡も大地震、火事之
由ニ候、久保田も此方ゟハ強候様ニ承候、番嘉右衛門、
清右衛門、連右衛門、藤之助也
（中略）
五日
一天気終日雨降候、地震四つ前ニ少震申候
（中略）
六日
一天気暑候、少つゝ二三度地震致候
（中略）
十四日
一天気能、昨夜之内も地震汰申候由ニ候、渋河正右衛門、
青木甚兵衛明日江戸へ登候由ニて参候故逢申候、正右衛
門ニ四郎三郎殿、長常院殿、口上申付候、番嘉右衛門、
清之介、類右衛門、藤之助也
（中略）
廿四日
一天気暑、雨あいニ降候、先頃之地震ニ付町ニ而一町きり
ニ祭致候由被為聞、今日は横町之祭ニ候故内町を通川原
町ゟ表門之前へ参本町を通候、先ニ具足着し馬乗壱人具
足着し小籏さし壱人、尤歩行ニて其次数鑓、鉄砲、弓
（後略）