地震史料集テキストデータベース

[未校訂]六月廿九日、朝より微雨午上刻より三刻迄雷鳴不止連々續鳴、其内大小替らせ、又午七刻より八刻迄同断、是雷鳴に而者無之、山鳴動与云々、併何れ之山歟不知、且少宛者先頃より鳴、是者山鳴与聞、今日者雷に似申候、又雷に非ず、翌七月朔日山鳴申刻に有、昨日よりは弱し、二日申五刻より黄昏迄山鳴、昔疇より者大に強く、其上戸障子に響き動き冷し、兒女甚怖る、三日曉五刻山鳴大に強し、間之内に難居、衆人庭先出る程也、右山鳴動者東北之風あい与云西南之風下りと云相對し、中央に當り横發せる刻鳴ると云云、又硫黄山故立山鳴抔与區説多し、四日、五山鳴動無之、六日曉寅刻山鳴、申上刻より戌上刻迄、亥五刻より子六刻迄山鳴、如此聞、七日寅上刻より山鳴強し、卯上刻より大に強く、先日來無之程之鳴動甚響く、辰中刻より少し弱く、午上刻又強く、同五刻より弱く、末上刻より又強く、黄昏尚頻に甚大に強く、同夜亥の五刻より殊之外強、子二刻より弱く、強き節者戸障子倒るゝが如く、家々響冷し、八日曉寅上刻より又強し、辰二刻大に甚強く、同五刻殊之外強く頻に鳴動、天地如爲反復、向静謚鳴動止、七日曉寅より八日石之刻限まで、一晝夜餘之間一圓無絶間鳴動、強き時者百千之太鼓を於隣里打が如く、人心波上に漂ふが如し、同日午上刻より少々鳴動、夜も同じ、暫宛止間有、九日折々鳴動、弱し、今日に至而石鳴動者淺間信州山燒といふ事知れたり、近國之郷村家根元燒灰多く留候由、當所者越中立山に當り候故、鳴響者彌強く与云々、虚實不詳、十日少々宛所に鳴動、