地震史料集テキストデータベース

[未校訂]乍恐書付を以御住進申上候御事
一今度大地震ニ而、小田原町旅宿焼失仕候ニ付、御上下御泊り無御座、昼御通ニ可被為遊と乍恐奉存候ニ付、大助馬之儀御登り之節ハ三月帰り、御下り節ハ二月帰りニ可罷成と奉存候、就夫雇馬之直段高値ニ御座候得ハ大分之雇金出シ申儀難成奉存候、勿論村立罵ニ仕候得ハ立馬多罷成候ニ付、御触之通無未進馬相立申儀難成様ニ奉存候御事
一拾壱年以前戌之年、大助伝馬増御割被為仰付候ニ付、村々段々困窮仕、数度御願差上申候所ニ、此度大地震ニ而猶以困窮仕候故、御役可相勤馬数無御座迷惑ニ奉存候御事
一道中往還遅滞仕候ハゝ、御掟之通不届ニ可被為　仰付と迷惑至極ニ奉存候、御伝馬之儀は別而大切之御役と奉存候故前以御住進申上候御事
右之通乍恐御了簡之上、道中御奉行様迄罷出御願申上候様ニ御慈悲を以被為　仰付被下置候ハゝ難有奉存候　以上
元禄十七年
申ノ二月
沼田村　　　　　塚原村　　　　　　炭焼所村
中沼村　　　　　苅野　　　　　　　飯沢村
関本村　　　　　和田原村竹松村
壗下村　　　　　宮代村中名村
円通寺村　　　　牛島村両村　　　　曽比村
柏山両村　　　　小代代村　　　　　　堀内村
中曽根村　　　　飯田岡村　　　　　成田村
延清村　　　　　桑原村　　　　　　鬼柳村
下火井村　　　　上大井村　　　　　西大井村
金手村　　　　　金子村御替地共ニ　曽我大沢村
上曽我村　　　　曽我岸村　　　　　曽我谷津村
曽我原村　　　　曽我別所村　　　　田島村
高田村　　　　　別堀村　　　　　　中里村
下堀村　　　　　千代村　　　　　　永塚村
東大友村　　　　西大友村　　　　　矢作村
〆四拾五ケ村 指上ケ申証文之事
一去霜月廿二日大地震ニ付、当村御川除破損仕候ニ付、御普請之儀御願申上候所ニ早速御見分被成、御目論見分之上村請ニ被仰付難有仕合奉存候、則御□ニ金高竹代共弐拾六両弐分銭七百八十文ニ而御請負仕候、随分と情出し仕立可申候、勿論御目録金高之内半金内借被仰付、重而難有仕合奉存候、惣御普請成就御見分之上、残り金受取可申候、為後日仍而如件
元禄十七年
申正月十九日
成田村
名主判
組頭判
伊藤文内様
吉井只右衛門様 覚
小田原宿去未ノ年地震火事ニ而別而及困窮候条当戌年〓来寅年迄五ケ年之内、上下駄賃銭五割増之候、右増之内壱割半は助郷村々江為取之、残分は致刎銭、問屋場ニ集置御伝馬并人足定之通り急度持立、宿並家居等も取立之可申候、勿論問屋年寄立合猥り遣捨さる様ニ可仕候、且又為稼在々〓出候駄賃馬賃銭は五割増之分不残刎銭問屋場へ可取候、為救増銭申付候間随分相続候様ニ可仕者也
宝三年戌正月
萩源左衛門
杉弥太郎
石阿波守
安筑後守
小田原宿問屋年寄