地震史料集テキストデータベース

十一月廿二日金沢大地震、同夜〓翌朝迄度々也、同夜八時江戸大地震、江戸中侍家・町家共損ル、方々地割レ、本郷御屋敷之内ニても、切通割候場道筋地割レ、外築地抔ハ二三尺割レ、御城石垣方々損、升形所々損し、御屋敷東御門続長屋、此時つふる、翌年三月比地震不止
本郷御屋敷御類焼、四ツ亭御土蔵、前御成之時出来之御長屋壱筋、一番長屋半分相残、谷小屋ハ皆相残ル、御露地ノ外御土蔵ハ翌日朝焼ル、御成御殿も此時焼失、右火事半ハニ上野へ奥村丹後加勢ニ被遣、丹後両眉被焼ル
御前御出馬ニて御下知歴々末々迄無比類働有之、御上屋敷御類焼ニ付、御中屋敷へ被為入、御家中之人々巣鴨・板橋辺ニ借屋仕、右火事ニ付十二月七日　上使を以、御屏風弐双御拝領、御上屋敷幕囲ニて取次
地震津波火事ニて死人
相州小田原辺壱万五千人、房州海辺拾万六人、総州海辺七万四人、江戸中三万千余人、内七百人余ハ廿九日夜火事之節、両国橋ニて死ス、合テ弐拾壱万余人
（後略） 注、本史料は、『加越能文庫解説目録』によれば、金子意永蔵書の前田家編輯方による写本である。明治期に成立。貞享より元禄までの記録抜書などを収録する。