[未校訂](3) 地震
家屋倒壊などの比較的大きな被害を伴う地震は、五回
ほど起きている。弘化、安政と続く幕末の地震が特に被
害を与えた。
弘化四年(一八四七)三月二四日、晩四ツ時(午後一
〇時頃)大地震が起こった。中村家では蔵屋がつぶれ、
土蔵も大きく傷んだ。塩ノ川の岩右衛門の家がつぶれて
馬が下敷きとなって死んだ。青具村全体では二一軒つぶ
れた。藤では、地震で家が倒壊したうえに火事が起こり
三名が焼死した。千見村では善福寺が倒壊し、大塩では
庄屋佐五右衛門の家がつぶれ二名死亡した。高地村では
被害家屋六八戸に及び、うち全壊一八戸、半壊二七戸と
いう甚大なものであった。