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項目 内容
ID J3100778
西暦(綱文)
(グレゴリオ暦)
1923/09/01
和暦 大正十二年九月一日
綱文 大正十二年九月一日(一九二三)〔関東〕
書名 〔生駒市誌資料編Ⅲ〕○生駒生駒市誌編纂委員会編S52・5・1 生駒市役所発行
本文
[未校訂](有山日記)
九月
一日 午後〇時三十分頃地震ゆる、五分間ほどゆる、午
後四時と夜十時頃にも少しくゆる、被害地など有るにて
はなきがと語り合ふ。二日昨日の地震東海道方面は大被
害にて横濱はほとんど全滅東京も同様ならんも通信全部
全滅して委しくは知りがたしとなり、震源地は伊豆の海
底ならんと汽車は全部不通、三日今回の大地震は、有史
以来の大惨禍にして東京市焼失家屋二十万、至る所死傷
者算をなし、にげ行く者右往左往して全くの修らのちま
たとなり居る由なれど、委しくは知れず、東京市には戒
厳令をしかれ食量(ママ)をもたぬ者は、一歩も市内に入れずと
なり、横濱は殆んど全滅となり漸く飛行機にて大阪へ通
信す、東京のみならず箱根小田原熱海など家屋倒壊火災
つなみ等にて大方全滅せん市町村数知れずとなり、四日
横濱は全部焼野原となり、一方に泥海出来しとなり、又
木の桟橋に逃げくる者何千人とありしがつなみのため桟
橋諸共一時に海中に落ちる様聞くのみにても身の毛よだ
つ、東京市は焼け出されし何十万の人食なく親にわかれ
子にわかれ目もあてられぬ姿して、焼跡の死屍の中を歩
きまわるとなり、大阪神戸より早くも食量品衣類船にて
つみ出す。五日 摂政宮殿には御内帑金一千万円を下賜
し給ふ、民間の寄附も早毎日朝日の両社にて三十五万円
に及ぶ、山階宮佐紀子妃殿下、閑院宮寛子、東久邇宮第
二若宮両殿下圧死を遂げ給ふ、東京火災東西三里南北三
十九町を焼きて三日朝漸く鎮火す。東京帝大全焼して五
十万巻の書を焼くと。六日 東京被服廠跡の廣場に三万
二千(或は四万五千と云ふ)人程集まりしに風向かわり
て突風起り、火を吹きつけて三四万の人一時に五六人を
残して死せりと云ふ。大坂神戸は食量品積出し、非難民
救助にてごったがへし、東京へは方々の軍隊出動して警
戒にあたる三井岩崎共に五百万円寄附、新聞社の募集金
百二十二万円集る。英米佛支等が異国よりの同情も多大
にて皆寄附金募集中となり、十三日 陸軍省海軍省外務
者をのぞく外、全焼す。死傷者の数は未だ正確にはわか
らず、東京の死者は八九万、横濱三四万位らし、横濱は
復舊の見込立たず、東京に合併するとの説もあり、便船
毎に避難者神戸大坂に上陸し、東京より早や八十万の人
地方に避難せしとなり、然し東京も焼け残の所は電車も
通じ水道も大方通ぜし由汽車電信活用をなさねば幾万の
電報を船にて大坂に運び、それより通信する朝日毎日の
義損金二百四十万に及ぶ、十四日 一日雨降る、朝こん
まきを作る。十五日雨 昨日の雨にて方々水つき橋墜つ
等、新聞にぎわし、夕方より大雨となり夜に入るとも止
まず、近頃になき大雨なり、土曜にて主人太郎共帰宅。
十六日 昨夜の雨にて方々あれる。瀧の口の後の浦田の
田大くえにくえる。又中田分店前より中市の前まで一気
ににすべりし由、皆夜通しせし由なり、少さきあれは数
知れず、本家兄上正午頃上に往診の帰り道に河崎屋の橋
よりおつ、其上に車及び車夫もおつ、大した怪我もなく
幸ひなりしが、右足をうちて歩けず、皆々見舞に来らる。
十七日 朝本家に尋ねに行く、余り痛まずとの事なり、
十八日朝 朝から夜に入る迄、一点の雲もなく眞に好天
気に浴衣の糊入する。しんし張り一反、板張少々にて冬
物糊入片づく、やれやれと思ふ。十九日朝 冬物仕立夕
方白菜まびく、二十一日曇 中久に本家見舞品積み置き
しに、鯛を持ち来る。彼岸の入にて母上向露寺へ参詣さ
る。二十二日晴 朝食せんとすれば腹痛おこる、引續き
烈しくおこり寒気する。二時間程して下痢する、昨夜の
食物のあたりしかと思ふ。午後になりて腹痛だけやむ、
土曜にて主人忠様太郎帰る、二十三日 村人足道つくり
にて安治郎を雇ふ、二十四日晴 辻が谷姉一周忌にて主
人朝より手傳、二十五日曇後晴 八月十五夜にていもを
供ふ、一点雲もなし、二十八日毎日冬物仕立、夕方白菜
をまびきかすを入れる。二十九日 朝地震ゆる。かなり
強き上下動なれど時間みじかし、土曜にて主人太郎帰る、
三十日日曜雨 降ったり止んだり何も出来ず、
十月
十六日 餅をつく、夜かしわを料理する、八幡座にて地
震の活動寫眞ありとて小供ゆく、主人十二時半帰宅
出典 日本の歴史地震史料 拾遺 四ノ下
ページ 1871
備考 本文欄に[未校訂]が付されているものは、史料集を高精度OCRで等でテキスト化した結果であり、研究者による校訂を経ていないテキストです。信頼性の低い史料や記述が含まれている場合があります。
都道府県 奈良
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