[未校訂](注、「新修」補遺別巻、989頁上5行以下に次の文がつゞく。
それまでの文は、(旧)塩江町史」と同文)
藩でも郷中一統に御用金を申し付け、特別課税をした
ので、両庄屋はこの冥加銀総計六九貫八四三匁七分五厘
を、その特別課税の内に取り納められたいと、次のよう
に申し入れている。
旧冬江戸地震に付、御屋形はじめ御破損所多く、恐
れ入り奉り候。小分ながら御冥加として献上仕り度
く願い奉り候。もっとも郷中一統ご用金仰せ付けら
れ候御義に付、右員数の内え御取納め下され候様仕
り度く、此段宜しく仰せ達せられ下さるべく候。
以上
別所嘉兵衛
喜多傳六
安政二年の米一石の価格は七三匁八分、同三年は七七
匁七分であったから、一石七五匁として現在の米価で換
算すると、三貫目は米四〇石約一六〇万円に当たり、最
少五〇匁は米七斗で約二万九〇〇〇円近い額である。冥
加銀総計は米約九三一石に当たり現在の価で約三八二〇
万円にも当たる額であった。