[未校訂]十一月四日大志しん
一此日大志しんつなミ上る事 六月十四日より日々志し
んゆり右四日五ツ半時大志しんゆりやむ間なく高浪来
りて在中寺ノ上ニにげる
一小山ニ而ハ浪上る事浜は常の中浪ぐらひ やさ谷ハ寺
の藪きしまで
田地ニ而ハ芝草迠上り志ほのり候 畑は麦皆々くさる者
也
一古本に而は本地祓(抜カ)場まて上り畑地大キニいたむ事
一船津ニ而は日中道のゆら(カ)まで上る事
一渡りハ渡し場より下もハ浪のり候へとも上ミハ町への
らす
一引本浦ハ寺のひろにわニのり掛り寺町ハ板じきまで役
所ゟ北浦ハ家の□(はカ)ふまでのり家弐三軒つぶれ人壱人死
ス事
一矢口ニ而は家廿六家なかれ人壱人死ス 浪ハ馬瀬越の
しばまで上る事
一須賀利浦ハ大荒家ハ町下流る人は壱人死ス
一尾鷲浦大荒家ハ九分通りながれ人は五百人程死ス事
一勝浦大荒白浦大荒三浦皆ながれ長しま九分ながれ九鬼
半ながれ三木里半分流レか田二木嶋新鹿大荒
一新宮皆々ゆりつぶす事
一大坂ゆりつぶす事
一伊勢ゟ東海道大荒之事
右四日ゟ十六日迠在中寺ノ上つき山小屋へとまる事
右四日ゟよるひる志しんゆる事
廿日斗り間なし それゟ段々ゆる
右四日ゟ志しんの間にどを〳〵となり物大きに。きも
に。こたへる事
右之通大じ志ん之時は早々火をけし早くにげるべし
津なミハくる事間なし