[未校訂]同十月四日未の刻地震して人々恐怖しける此節の事古老
の物語いろ〳〵あれともたしかなる所記なけれは書も
とゝめす一興か祖父いとけなき時にて乳母にいたかれ川
向花畠辺に行其帰り途中にて地震し家居の人はいふに及
はす道ゆく者もあゆみ得す殊に西大寺町の道一尺はかり
破裂し泥沸出る乳母大に驚き居けるか何者やらん来りか
き抱き家に連帰りし家は天瀬今湯浅新兵衛隣後の江見渡辺長谷川梶川四軒一家の時といふ
此物語は一興か祖母
の話を書のす
十月四日未刻余程地震然共城内城外共に破損無御座
候町在之義未聢相知不申候已上
十月五日 御名