地震史料集テキストデータベース
[未校訂]（注、「新収」拾遣二、89―92頁につづく）
（略）
奉願麥種子覚
一 麥種壹石貳斗 代三拾六匁 西ノ谷村
麦種拝借
内麥安壹石三勺
大麥壹斗九升九合七勺
一 同弐石 代六拾匁 目良村
内麥安壹石六斗七升壹合
大麥三斗貳升九合
一 同四石八斗 代百四拾四匁 糸田村
内麥安四石六合
大麥七斗九升四合
一同壹石 代三拾匁 湊村
六十四
内麥安八斗三升四合五勺
大麥壱斗六升五合五勺
一 同七石 代貳百拾匁 神子浜村
内麥安五石八斗四升五合
大麥壱石壱斗五升五合
一 同弐石 代六拾匁 敷 村
一同拾弐石 新庄村
〆
右之通
奉願農具之覚
一 平鍬四丁 代十弐匁 西ノ谷村
一 鎌 八丁 代四匁
一 土桶輪竹拾三本 七寸廻
一 平鍬五丁 代拾五匁 目良村
一 鎌 五丁 代弐匁五分
一 土桶輪竹九本 七寸廻
一 糸車五丁 代拾五匁
一 犁 弐丁 代貳拾匁 糸田村
六十五
一 平鍬六丁 代拾八匁
一 鎌 六丁 代三匁
一 土桶輪竹十六本 七寸廻
一 平鍬五丁 代拾五匁 湊 村
一 鎌 五丁 代貳匁五分
一 土桶輪竹四本 七寸廻
一 犁 六丁 代六拾匁 神子浜村
一 鎌 五拾壹丁 代廿五匁五分
一 平鍬五拾丁 代百五拾匁
流失農具料拝借
犁―からすき
一 かい鍬六丁 代四拾弐匁
一 土桶輪竹廿四本 七寸廻
一 糸車三拾丁 代九拾匁
一 稿八千四百把 代三百三拾六匁
是ハ牛弐拾三疋飼料霜月ゟ二月迄
一 平鍬貳拾丁 代六拾匁 敷 村
一 糸車三拾丁 代九拾匁
一 鎌 貳拾丁 代拾匁
一 土桶輪竹十貳本 七寸廻
六十六
〆九百七拾匁五分
右ハ此度津波農具諸道具流失仕渡世之方
便無御座迷惑仕候哀以御慈悲之御借被爲
遊被下候ハヽ難有可奉存候以上
亥十月 彌次右衛門
次郎左衛門
喜大夫
藤蔵
市兵衛
加兵衛
岩本弥三左衛門殿
奉願農具
一 平鍬百丁 代三百目 新庄村
一 犁 十六丁 代百六拾匁
一 かい鍬十六丁 代百拾貳匁
一 鎌 百丁 代五拾匁
一 土桶輪竹八拾本 七寸廻
〆六百弐拾弐匁
六十七
乍恐願書
一 米六石 一 ぬか十俵 西ノ谷村
一 麥貳拾石 一 塩 十俵
一 米三石 一 ぬか五俵 糸田村
一 麥八石 一 塩 六俵
一 米七石 一 ぬか十弐俵 神子浜村
一 麥拾七石 一 塩 六俵
一米壹石貳斗一ぬか五俵湊村
一 麥四石 一 塩 三俵
飢人米麦ぬか塩
等願
一米四石 一ぬか十俵敷村
一 麥十五石 一 塩 五俵
一米拾六石 一 ぬか三拾俵新庄村
一 麥六拾石 一 塩 十五俵
一 わら五千把 牛五十疋霜月ゟ極月迄食
〆
右ハ新庄村跡之浦鳥巢内之浦神子浜湊村
之内志ほこ西ノ谷村目良村糸田村之内流
失之者共此度以御慈悲早速飢扶持被為下
六十八
置難有仕合奉存候最早給へ物無御座候ニ
付麥米之流捨申候を少々尋出拾参食物ニ
仕候者も御座候へとも此度ハ濡麥米之痛
つよく食物ニ難成御座候へ共何角と拵給
候由殊塩噌曾て所持不仕候へハ病人も多
御座候て何とも不便至極ニ奉存候間右之
通御救被為遊被下候ハヽ拝借仕銘々借渡
何とそ麥作付させ申度奉存候願之通被為
遊被下候ハヽ難有可奉存候以上
給へ物―
たべもの
不便―ふびん
亥十月 藤兵衛
市兵衛
藤蔵
加兵衛
弥次右衛門
次郎左衛門
喜大夫
右之通吟味仕奉願候以上
岩本弥三左衛門
六十九
豊田三郎兵衛様
生田市左衛門様
松本彦助様
鎌足一郎左衛門様
覚
一 銀八百四匁壱分九厘 貳夫銀 新庄村
是ハ此度之地震津波ニて家財流失仕
取立可申便無御座候
一 米五石弐斗八合 御種利米 同村
貳夫銀御種利難
渋願
右同断
一 銀五百廿貳匁九分五厘 貳夫銀 神子浜村
内五拾九匁三分貳厘 上納可仕候
残四百六拾三匁六分三厘
右同断
十月
拝借仕御米之事
一 米四拾壱石弐斗 神子浜村御蔵濡米
一 〃四石 かぢ組同
七十
一 米六斗五升 糸田村同
〆四拾五石八斗五升
内
貳拾石 神子浜村
六石 ミなと村
七石貳斗 敷村
八石 糸田村
四石六斗五升 西ノ谷村
右之通村々へ拝借仕銘々へ借渡申所実正
濡御米飢人へ拝
借
ニ御座候返納ハ重て御差図次第ニ取立指
上可申候為後日仍如件
亥十月 市兵衛
藤蔵
加兵衛
喜大夫
彌次右衛門
松本彦助様
覚
七十一
一 近年諸士幷在町共男女奉公人共出替時分
ニても無之ニ前方ゟ主人へ隙申込亦ハ翌
年之極メ等仕候事堅無用ニ致、自今主人
ゟ其品不申出内奉公人共ゟ不申様ニ急度
可被申付候
一 近年日用賃銀高ク取申由追て極可申遣候
一 地震津波に付大工共賃銀多取申者有之様
相聞候是以追て定遣可申候
右之通何れもゟ被仰渡候左様可被相心得
奉公人職人請被
仰出
隙―暇、ひま
候以上
十一月廿二日 生田市左衛門
豊田三郎兵衛
岩本彌三左衛門殿
一 此度之地震武蔵相模駿河三ケ国之内砂積
大荒之由沙汰有之候
（略）
拝借仕御米之事
諸国地震洪水
南紀徳川史ニ
十一月廿三日
ゟ富士山焚ケ
砂灰降ル廿七
日ニ至テ震動
ヤマズ山腹ニ
一峯ヲ出ス人
之ヲ宝永山ト
ヨブ
一 合四拾俵也 御蔵納外
右ハ江川流家之問屋共奉願候通拜借被為
仰付難有奉存候則御米慥ニ請取銘々へ相
渡申所実正ニ御座候返納之儀差上申願書
之通急度取立上納可仕候則本人共借状私
共方ニ取置申候為後日仍如件
田辺大庄屋岩本彌三左衛門
亥霜月廿九日
玉置九左衛門殿
七十三
右七月十日ニ相済手形戻ル
拜借仕御米之事
一 合五拾六俵也 御藏納升
右ハ江川流家商人共右同文言
田辺大庄屋岩本彌三左衛門
亥霜月廿九日
同断 玉置九左衛門殿
拜借仕銀子之事
一 銀合壱貫七拾壱匁六分
江川問屋拝借願
江川商人拝借米
麦種拝借願
此麥種三拾石
新庄はま湊敷
糸田西ノ谷めら
内
麥安弐拾五石八升 石三拾九匁かへ
大麥四石九斗二升 石十九匁かへ
右者亥十月四日高波ニて麥種流失仕ニ付
御願申上拜借仕候上納之義重て御用次第
差上可申候仍而如件
亥十二月廿八日 肩書 藤兵衛
市兵衛
七十四
加兵衛
藤兵衛
喜大夫
弥次右衛門
次郎左衛門
右之通相違無御座候以上
岩本弥三左衛門
飯田大助殿
稲田孫助殿
受取申御米之事
一 合壱石五斗五升也 亥御蔵納也
内
壱石貳斗 人数百六拾人
亥十月六日ゟ霜月十五日迄川渡船昼夜壹人
七合五勺ツヽ
三斗五升 人数三拾五人
和歌山御役人衆瀬戸渡船水主壹人壹升ツヽ
右ハ十月四日地震津波之節江川大橋落往
来渡船幷瀬戸渡船浦方へ附候水主扶持方
七十五
米ニ被為下置慥ニ受取相渡申所実正ニ御
座候仍如件
田辺大庄屋
岩本弥三左衛門
宝永五年子二月
松本彦助殿
右渡米受取書出 江川年寄 与惣右衛門
岩本弥三左衛門宛〃 庄左衛門
〃 庄屋 次郎兵衛
川渡、瀬戸渡扶
持方被下
受取申御銀事
一 合百四拾六匁九分五厘 内壱匁三分壱厘かけ入
右ハ田辺御城附鍛治大工♠役米滞銀貳貫
九百五拾弐匁七分年賦済亥ノ年分上納銀
受取御代官小出才大夫殿へ納候所実正ニ
御座候仍如件
十二月二日 岩本弥三左衛門
玉置孫九郎殿
七十六
請取申銀子之事
一 銀百四拾五匁六分四厘 田辺城附職人役米未進
右年賦之内亥年分受取申者也
小出才大夫
宝永四年亥霜月
同 七郎右衛門
岩本彌三左衛門殿
請取申御米之事
一 合拾石也 亥御蔵納
右ハ亥十月四日地震津波ニ町江川流家之
♠役滞銀年賦受
取納
町江川流失家小
屋懸料被下
者小屋掛ケ仕候節為藁繩代被爲下置慥ニ
受取申相渡所実正ニ御座候仍如件
宝永四年亥十二月
町大年寄 多屋加右衛門
〃 糸川半大夫
〃 多屋平次
〃 大庄屋 岩本彌三左衛門
七十七
宝永五戌子年 1708
（略）
拜借仕銀子之事
一合銀壹貫五百貳拾五匁七分利
此米貳拾石九斗 石七拾三匁かへ
右ハ田辺組之内西ノ谷村目良松原湊糸田
神子浜新庄村去亥十月四日津波ニ家財諸
道具等迄流失仕、籾種之義拜借奉願候処
籾種拝借
御借下難有奉存候返納は御意次第上納可
仕候為其手形指上申候以上
彌次右衛門
年月 次郎左衛門
喜大夫
勘左衛門
市兵衛
藤兵衛
右奉願候通御借被為下銘々相渡申候以上
七十九
岩本弥三左衛門
飯田大助殿
稲田孫助殿
（略）
（略）
一 四月三日、本町筋流失家普請致兼候分松
材木御借下、普請仕候様被仰聞
（略）
一 同月（五月）権現土塀之土臺石垣地震ニ崩候分郷
役ニ為御築被下候尤権現之義ニ候ヘハ湊
八十二
村町其外ゟ手伝出申候湯わかし町ゟ出
本町流家松木可
被下筈
権現土塀石垣御
普請