地震史料集テキストデータベース
[未校訂]十月四日 午晴
一今未上刻地震余程之儀三十年以来無之儀之由所（カ）之者共
申之其以後も少づヽ夜中ニ至震候事
十月五日 未晴
一京都ゟ日着飛脚指越ス
△昨四日未上刻晴天之処大地震茶四五服斗□之内事之外
強震四十六年以前寅ノ年以後之大地震之由水酒桶半分
斗ゆりこほし天水落井戸水にこり瓦落石燈籠石垣なと
倒棚成物落候由
禁裏辺二條 御城外見分ニ太右衛門懸遣候指て御破損ハ
相見へ不申候間端々町屋破損材木町ニてハ材木ニ打れ
少々死人も有之候由江戸ヘも懸注進申上候旨池田屋善兵
衛ゟ申来ル
十月八日 戌晴
（カ）△去ル四日未刻大坂存外強キ地震之由橋々ゆり落人死も有
之由町屋所々崩御城角櫓二ケ所大破之由江戸へも懸申
上候由
△同刻大和筋大地震戒重柳本大破之由監物様ニハ 家千代
様御逝去ニ付七日ニ御出京之由
十月九日 亥晴
一京都へ久五郎指遣ス
戒重柳本宇多徳源（カ）寺へ京ゟ飛脚仕立御家老中ゟ大地震
之御見廻申遣池田屋ゟ早々指遣候様申遣之
十月十一日 丑曇
一京ゟ日用一人日着ニ指越
中山助之進ゟ田中半兵衛方へ書状 去ル四日夕嶋田ゟ
□日坂入口ニて大地震ニ逢候へ共無別事之由江戸用金之
義申来ル
十月十七日 未曇
一京ヨリ御足輕小者帰ル
△戒重柳本宇多へ遣候京飛脚何も返書来ル大地震之處
所々無御別事旨申来ル
十月十八日 申雨
一今夜丑上刻地震山鳴五度有之
十月廿日 戌晴
一江戸ヨリ京便去ル十日夕皮籠到来 京ゟ久五郎来ル
△去ル四日未刻余程之地震候へ共御屋敷御別事無之由道
中筋夥敷大破之由
十月廿六日 辰晴
一和刕室生寺へ去ル四日地震為見廻御家老中ゟ京飛脚指
遣
徳源院様御廟所別条も無之御様子承候而江戸ヘ可申上旨
申来 生駒彦左衛門ゟ御飛札申遣京ゟ飛脚を以池田屋
へ申出（カ）
十一月朔日 酉雨
一江戸ヨリ京便去月十九日夕到来 京ゟ小者一人帰ル
△去ル五日之便相届御当地地震輕キ様子相達候由
（注、織田家文書53、ほとんど同文につき省略。以下はNo.53
による）
十二月四日 午曇
一江戸ゟ去月廿三日之夕京便到来
△去月廿三日朝ゟ二三日地震四ツ過ゟ雷鳴八時ゟ大キ曇灰
ふり弐分斗溜リ候よし浅間なと燒候節ハケ様ニも有之よ
し風聞之旨
十二月八日 戌晴
一江戸ゟ去月廿九日夕町便到来
△去月廿三日ゟ一両日鳴動日曇りて砂灰降しよし富士山
去ル廿二日ゟ燒廿二日廿三日駿劦大地震之由廿三日ゟ廿
七日迠降し砂御屋敷中道筋斗掃溜候分凡弐百荷も可有
之よし往来傘ニ溜候砂御若君様かさし候由申来