[未校訂](注、小宮山氏、通称高嶋屋は越前敦賀で廻船業を営み、天正
末期から寛永期にかけて加賀前田家その他の蔵宿として、
特に前田家の場合はその蔵米の裁許を一手に引き受けて
いた豪商であった。因みに、敦賀の三長老とは道川氏、三
宅氏、そしてこの小宮山氏を指すという。)
四、前田利家朱印状
以上
其地ニ有之荷
物共、なは、すみ、
しほ、竹并竹
釘以下、有次
第此ものニ可
相渡候也
文禄五年
九月十八日 利家(印)
高嶋屋
伝右衛門殿
この年、閏七月十三日畿内に大地震がおこった。前田
利家らは在京中で、利家はこの時明使の接待役を仰せつ
かっていた。この史料は地震のため破壊した伏見城の修
覆のため、高嶋屋に材料の輸送を命じたものである。物
資そのものは国許で徴発したのであるが、輸送は高嶋屋
が一手に引き受けさせられている。