[未校訂](注、この文書は写真うすく読みづらい)
廿八日朝雨ハ上り不明の暖気六拾五度也いかゞと案ずる
中六時弐拾□分(カ)ころ大地震驚き出たり其後震動留ず先村
内にても損所大造之事也すへて家土蔵等の損しをはしめ
石垣等の損し各所也社寺にも相応の損害あり世間のこと
ハさらに志れずする中山□油吉と申人岐阜より帰り立寄
呉て田地も殊の外大変其上出火のよし申入たれハ之(カ)又
常助兼三両人曳(カ)の人力にて出向たり此前音松□遣し今帰保太郎
にハ関大変のよし聞取是も□たり扨五時頃に成行違ニ分
店より脚夫参り弥当(カ)宅□□□為元来人足町人の米白米弐
俵為持夕前より遣今帰関ハ保太郎間道の□帰り来て物
語る辻(カ)之町九日町出火にて本町其他とも倒家多きよし又
死亡人も数しれずとの事本日正午頃七拾度まですゝむ殊
に極晴天也夜も同様也
廿九日(欄外)今夜十弐時又弐時と両度地震強く廿八日
ハ不絶小ふるひあり
(本文)朝ハ矢張晴天十一時頃岐阜より兼三音松帰り来て分社
終ニ焼失のよし申聞案外驚入たり昨日罷越たる道々の次
第当夜前二時頃迄立山懸廻にてよふ〳〵帰りたり其道筋
の□も大変也時々ハ不取敢得□舟を以品々もたせ為
登店(カ)引取に遣す 荷
十一月一日(上欄)本日も数回震動す午後四時ころ甚つ
よく
二日(上欄)午后四ッ時強震あり大震後にての大震也
三日(略)夜二時頃又明かたすぎ大震有り
四日少雲出たり十時頃又強震有
五日午前十一時すぎ大震あり(中略)比夜も度々□より
強く震
六日前十時三十分頃又大震有
七日今夕ハ震少しあり
十四日極晴天暖気也朝六十三四度昼前駿河国庵原郡庵原
村字山切太田源□門外壱人連てミえけるが 高野ハ使僧
此度震災にハ根尾谷長嶺に居られ誠危所助命したるよし
にて見舞かた〳〵ミえる
十八日(中略)此夜□震動□
廿二日朝暑之上□通る□北方に参られたれハ
笠松近回村致して此地乃惨状を見るに先入口より行当の
町家𠀋ハ焼残大体倒たり夫より先横町及本町通又裏町堤
際まで不残焼失致したり渡舟場より堤防三四町下もまわ
りてみるに□□□の里ハ夫程にいた□し帰路人力やとひ
て川手ゟ裏道を□畑に出此村及飯下村等一見(以下ウス
い)
廿六日朝も雪ふりて終日よからす是ニては震災の倒家人
民一層の困難おもひ□
いまだ不絶震動あり寒く更一層□
廿七日(上欄)夜中数回震動やます
廿八日十時すぎ大震動有又十二時頃同断
十二月三日(上欄)午後一時頃大激震有