地震史料集テキストデータベース
[未校訂]大地震前後
ノ怪異
ヒカリ物飛
ブ
十（天正十三年十一月）一日、夜九半時地震、此比ヒカリ物飛、ミタル衆多之、
内侍所鳴動
ス
廿九日、夜四半時過大地震、ソレヨリ十餘日不止、折々地震少々、此比内侍所鳴動之由
京都ヨリ申來、於禁中御祈禱種々有之、國々ニテ一在所ヲ悉地震ニユリワリ、人屋倒、
人多死スト云々、又國ニヨリサシテユラヌ國モアルナリ、八十年已來無之由申也、又
云、年内ノ間折々地震不止、
十二月四日、
本願寺光佐
大坂城ノ無
事ヲ祝フ
秀吉今度地震ノ時、御在京江州ニ御逗留、其後大坂へ御歸城、ソレニツキテ、今度ノ
地震ニ御城内少モ無恙、御よろこひとて、今日四日ニ御（本願寺光佐）門跡・新（同光壽）門樣・興（興聖寺佐超）門樣御禮ニ
御出候、コハ飯二折・白鳥・鮭廿尺・鯛廿枚・鯣一折・御樽十荷、新門樣ヨリ唐縫之
道服、興門樣ヨリ御小袖・あわせ、
追而
京都三十三
間堂ノ佛六
百躰倒ル
天正十三一、十一月廿九日夜大地震ニ、京都三十三間ノ堂ノ佛、六百躰ト云々、イツレモ倒給ト云々、
飛驒ノ内島
一類全滅ス
一、飛州ノ歸雲（大野郡）ト云在所ハ、内嶋ト云奉公衆アル所ナリ、地震ニ山ヲユリクツシ、山河多
セカレテ、内嶋ノ在所へ大洪水ハセ入テ、内嶋一類地下人ニイタルマテ、不殘死タル
也、他國へ行タルモノ四人ノコリテ、ナク〳〵在所へ歸タル由申訖、彼在所ハコト
〳〵ク淵ニナリタル也、近江・越前・加賀別而大地震、和泉・河内・攝津同前、六十
餘州大地震同前也、サレトモ別而破倒タル國ト、サホトニナキト差別在之云々、一々
難知之、不及注之者也、八十餘歳之老人モ、如此事見聞タル事無之云々、
天正十四年
（正月）廿四日、
一、去年ノ大地震おり〳〵不止、大晦日之時分迄節々ゆりたる也、當春正月十二日ニモゆ
りたる也、御堂御太夜ニ聽聞ノ間ニモユリタル也、其外正月中ニモユリタル由申沙汰
有之、
一、同（二月）廿日、朝六時分地震、舊冬ヨリ于今不相止、折々地震スル也、