[未校訂]187 安政2・11 大地震に付御用金申付状
(久下 野本喜正家蔵 №三五)
安政二年(一八五五)十月二日に起こった江戸大地震
により、久下村の地頭水野氏の屋敷や墓所が倒壊した
ため、その修復入用として一五両の御用金を割り付け
たものである。文中に両村とあるのは、同人知行の花
崎村を含めてと思われる。
覚
一金十五両也
久下村上納金
内半金七両弐分 市兵衛
同 七両弐分普右衛門始村役人物持百姓共迄割合
〆
右は今度大地震ニ而御住居向御土蔵等莫太大破相成候得
共、時節柄ニ付来年迄御手入不被遊候得共、難被捨置雨
漏之場所并根太落チ等は御修復被仰付候、右等ニ而御物入
有之候処、御菩提所市ケ谷道林寺 御先祖様御石牌を始
不残押倒シ損茂出来、其上御先代様御石牌大破ニ相成、
何分被捨置候訳ニも参り兼、御手入莫太之御入箇ニ付書
面之通御用金被仰付候間、被得其意当月下旬上納可被致
候、尤来年ニ至御住居向御土蔵等之御修復ハ御臨時金両
村割合ニ而被仰付候間、御用金之義ハ不被仰付候、何分御
菩提所御石牌之義不得止事御物入篤与可被申合候
(安政二年)卯十一月
地頭所内今井清右衛門 ㊞
晋右衛門殿
市兵衛殿
村役人初一同