[未校訂]安政の大地震安政元年(一八五四)六月一〇日および一五日
に地震があり、一一月四・五日にはこれまた
前代未聞の大地震に見舞われた。長尾の古老の伝承によ
ると、ふらついて道が歩けず、たまり水、便所のため肥
が踊り、人々は余震をさけて竹やぶに避難し、数日野宿
したという。八幡池の堤防欠潰して水溜できず。富田有
馬右衛門三郎が藩ヘ報告した控えに、「志度浦津田浦大痛
みだが山分はゆるやか」となっており、日記には、「前代
未聞の大地震、富者は災宅を構え貧者は急ごしらえの小
屋を造って避難した」とある。