地震史料集テキストデータベース
[未校訂]「遠州豊田郡山名庄見取村
噺伝記
本名 五郎□□云五郎左衛門㕝堀内治左衛門」
安政元甲寅十一月四日大地震ニ付御陣屋皆潰ニ相成り其節
ゟ向笠西村御陣屋ニ御定ニ相成り申候
此時地ゟどろ水ふき出し井戸川共ニとろ水ニ而四五日余りのミ水ニ
こまり申候
一安政元甲寅十一月四日朝辰之上刻稀成大々地震村々一
面ニ居家土蔵立タル家不残震潰レ命を失ひ候もの数多ニ
在之此時ハ五日五夜藪ニ而暮し五軒七軒ヅヽ㝡寄りニ寄
合土手へ釜を[築|つき]□[焼|タキ]より〳〵命を[繫|ツナギ]大地震後一日ニ七
八度づゝ茂[震|フルイ]百日余も不止□（甚）□折ふしはどろ〳〵
と云音立田畑三尺四尺巾位ニ十文字ニ[笑破|エミワレ]川筋堤抔も
大笑崩レ当村は地震修覆堤長千六百九拾五間堤修覆金
として秋元様花房様堀様御三□ニ而金六十両御下□□
其余ハ村たしニ而仕立上ケ申候且又用水路入用ハ別々御
下□在之申候当村茂山附通リハ居家土蔵之類は潰れ不
申勿論大破ニハおよび申候得共潰レより仕合ニ被存候
奥手村々山附ハ同様山梨袋井宿掛川宿震潰レ其上焼失
いたし気毒ニ被存候死人山梨ニ而六（二カ）人袋井七十壱人掛
川三百人余潰レ焼死御三様へ書上通リ其外焼死数不知
当村ハ壱軒も潰焼又ハ壱人も潰死ニ無御座是ハ氏神ノ□
□と奉存候其外□（ムシ）□□□
大地震ニ而
治左衛門つぶれ家左ノ通り 五郎衛門つぶれ家左之通り
本屋四間半三間半 浦（ママ）壱間瓦庇 本家四間半ニ三間半 浦七間瓦
附 庇シ付
釜屋弐間半三間半 前西庇附 釜屋弐間半三間半 前面（西カ）廻り瓦
部屋弐間ニ弐間半 惣瓦ふき 庇付
土蔵弐間ニ弐間半 庇附但し惣 部屋弐間弐間半 惣瓦
白塗 稲屋弐間三間
稲家弐間三間 雪隠弐間ニ二間半
雪隠弐間ニ弐間半 門弐間ニ六間半 惣瓦
草家九尺弐間 右ハ不残大地震ニ而潰申候
右は不残大地震ニ而潰レ申候 土蔵弐間ニ三間庇囲込惣白塗
漸々うだつをしつらひ 是ハ潰レ不申
□□造り申候は皆一統同様之事ニ 草屋九尺弐間 是ハ□
御座候