地震史料集テキストデータベース
[未校訂]乍恐以書付御注進申上候
（石黒大野地震 田辺重順文書）
去ル廿四日夜亥刻大地震ニ付当村端郷大野と申処、田地
長サ拾町余候処通り幅三四尺も割目相立、夫ゟ同所百姓
居屋敷内江相掛り十三軒程住居難敷、追々家作所拂候外
無御座候当惑至極奉存候、右之外当村地之内右同様割目
相立場所ニ依り三四尺程も高低等も出来、手入仕候而も
用水難保躰体ニ相見申候ニ付、此段乍恐以書付御注進奉
申上候、已上、未三月晦日刈羽郡石黒村百姓代 助九郎
組頭 卯左衛門
庄屋 重左衛門
御代官所
右御注進申上候ニ付奥印仕差上申候、已上、
大肝煎山田禎助
乍恐以書付御拝借奉願候
（地震救済のため三拾両拝借 田辺重順文書）
石黒村端郷
大野
百姓
一金三拾両也 次左衛門
此分拝借御聞済不相成 吉右衛門
為御手当金五両弐分也被下候旨 庄右衛門
御沙汰ニ相成候事、 惣右衛門
與七
勘四郎
九之助
吉兵衛
九左衛門
元右衛門
佐一右衛門
作右衛門
長吉
佐次右衛門
〆拾四人
先日御注進申上候通
右者当村端郷大野と申処去月廿四日夜大地震ニ而田地之
所々割目相立、夫ゟ右拾四人之もの共居屋敷内江相掛り
割目相立、住居難相成家作所拂候外無御座候処、山地貧
村之次第ハ兼々御見守被為在候通ニ而、家作り引移候手
便無御座一同迷惑仕歎ケ敷次第ニ奉存候、何分右之通居
屋敷内江割目相立候得者、往々谷間江崩落候義ハ顯然ニ御
座候得者、手入仕候而も元屋敷ニ住居難仕依之御時節柄
奉恐入候得共、格別之御慈悲を以書面之金高御拝借被仰
付度奉願上候、勿論返上納之義も困窮之御百姓共ニ御座
候者、迚も一両年中と上納仕間敷候間、是又御慈悲を以年
賦ニ被致下置度奉願上候、
右願之通御聞済被下置候ハハ重々難有仕合奉存候、已上、
弘化四未年四月刈羽郡石黒村百姓代 助九郎
組頭 卯左衛門
庄屋 市左衛門
御代官所