[未校訂]大町地震
震源地が池田町に近い地震に大町地震
がある。大正七年(一九一八)十一月十
一日の午前三時(震源地常盤大崎地区)と午後四時(震源
地松崎南方)の二度襲ったのが大町地震である。この地
震は余震がその後十数日続いた。
池田町では、震源地に近い堀之内に被害があり、土蔵
や葉小屋が崩れたり石燈篭が倒れたりした。
その他では、被害はなかったが、古老の話を聞くと次
のような話があった。
◎大峰の方からゴーッという音がして、木は大風に吹か
れたように動いて、三〇〇㍍くらい向こうの木が動き
出す頃、自分のいるところが揺れ出した。(丸山義幸
平畑)
◎友だちと柿の木へ上って柿をとっている時大きな揺れ
がきて振り落とされそうで、木につかまっているのが
やっとだった。菖蒲では、竹薮や広い庭へ時々避難し
た。(県敏雄 寺間)