[未校訂](阿波志)
地大いに震い難波津の海溢れ鳴門の潮かる 雪池は東
西由岐村間にあり康安元年(正平一六年のこと)地大い
に震い海わき、全村蕩尽す 六・一六より地震十月に至
る 地裂けて池となる長さ二二〇歩、径一〇〇歩、太平
記を見るに正徳中四分を以て西村となし六分を東村と
す、風波起る毎に村民船をここに置く。
[注]有名な東由岐の古碑康歴碑は此時の遭難者を供養
したもので阿波志に
「康歴二庚申十一月十六日海翻震盪死亡甚大合葬
于此」とあり、海部郡誌によれば碑面には六〇名
の戒名を記載す(康歴二は地震後一九年目)