地震史料集テキストデータベース

[未校訂]（表紙）「信濃国大地震火災水難地方全図　
」
絵図（注、省略）
　弘化四丁未年三月廿四日夜亥刻頃信濃国七郡大地震にて城
下・在町の民家一時にゆり潰し即刻止ミ候、所々焼失、圧死・
焼死不知数、同刻山平林字岩倉虚空蔵山崩れ犀川に落入、川
上村々水湛て湖のことく丹波島河原水渇て陸のことし渉るに
踵をぬらさす、其外所々山沢崩落て水行不通、四月十三日申
之下刻一時に抜出シ波高き事数丈水声雷のことし、川中島よ
り千曲川辺民家尽く漂流し溺死するもの幾千といふをしら
す、扶桑略記日光孝天皇仁和三丁未年七月晦日信濃国大山頽
崩六郡城盧払地漂流、牛馬・男女流死成丘云々自仁和丁未
至弘化丁未ここに九百六十一年又如斯天災を見る唯当国の人
のミにあらす、善光寺如来開扉によりて諸国の旅人数を尽し
て死失す、附ていふ
遠境の諸友より右の実説を問ふ事しは〳〵にていち〳〵筆
にまかせかたきをもてあらましをしるして梓□ものするに
なん尚足らさるハ見る人ゆるし給へ
稲荷山住
宮　匠
ミな月末つかた彫成いまた昼夜に五七度震やます