地震史料集テキストデータベース

[未校訂]安政元年十一月四日より七日（十二月二十三日より二十六
日）に迨る間、広島に於て、地震二十五六度あり、城櫓三所
崩れ、市内家屋大に破損し、道路亀裂したり、草津・仁保浦
等亦道路亀裂し、泥水を噴出せし所もありし、又巌島にて
は、燈籠落ち、廻廊損じたりき、蓋し四日の地震は、遠江国
御前崎の南方約十五里の海底に発したるものなれば、感じも
薄かりしならんも、五日は土佐国室戸崎の南々東方約二十里
の所、七日は伊予灘に発したるものなれば、四日に比し強か
りしならん、当時一週間程は、竹林中に避難し居りしと云
ふ。