地震史料集テキストデータベース

[未校訂]（安政五年戊午草稿　二十一）
三月廿二日
（前略）
一同日去月廿六日御国表地震に付破損所の御届書御用番久世
大和守広周殿御老中松平伊賀守忠固殿え左の通被指出之
拙者領分越前国去月廿六日暁九半時頃余程強地震いたし
城廻り損所有之城下地割候所も有之其外侍屋敷寺社町在
の内破損所多怪我人等も有之趣にて先達て御届申追て相
糺候処破損所左の通御座候
城廻り
一本丸三丸内建物所々壁瓦落或邪ミ損
一櫓二ケ所邪み其外櫓々門々并渡り櫓多門等所々壁瓦棟
石等落損す
一土蔵瓦壁落或割れ損し拾二ケ所
一役所向并番所等所々瓦壁棟石落邪み損す
一堀廻り十四間斗倒其外所々瓦壁棟石等落損或ゆかみ損
す
一本丸外堀縁石垣長さ幅二間半孕出す
一同所辺石垣高さ五尺幅三尺斗孕出す
一三ノ丸内石垣少々孕出す
一同所囲塀下石垣高さ六尺長さ二間半斗大損し
一同所辺石垣長さ三間高さ五尺余崩落
一外郭門脇石垣高さ六尺幅二間斗崩落
一下馬門前堀縁長さ四間幅二尺五寸斗大割
城下
一潰土蔵一ケ所
一山弐拾間余割る
右の外侍屋敷町家等破損并地割る場所所々御座候
領分在々
一潰家拾七軒
一半潰家八拾壱軒
一潰土蔵六ケ所
一山崩九拾四ケ所
右の外地割水砂等吹出場所所々御座候
一男女怪我無之
一斃牛馬無之
右の通申越候此段御届申候　以上
三月廿二日　松平越前守
一二月廿六日暁八時頃大地震
一三月四日御国表大地震（抹消）去月廿六日（抹消）に付御用番久世大和守殿御老
中松平伊賀守忠固殿え左の通先つ御届被指出之
拙者領分越前国去月廿六日暁九半時頃余程強地震有之城
廻り所々損所出来地割候ケ所も有之其外侍屋敷寺社町在
の内破損所多怪我人等も有之趣御座候委細の儀は相知不
申候へ共此段先御届申候　以上