地震史料集テキストデータベース

[未校訂]「安政七年申日記　御用場」
四月廿八日　曇
（前略）
一吉城郡小豆沢村之儀、往来困窮之村方ニ而、別而去々午年
地震災後通行之諸荷物も無数ニ付、駄賃持等之稼も無之難
渋ニ陥り相続方差支候折柄、村内字なかつな山崩場所肥灰
可相成石有之候間、試之ため当申来酉弐ケ年右石掘取地震
災根返打折等之雑木を以肥灰ニ焼立、隣国越中国加賀沢村
ゟ菴谷村辺江売捌作間余業ニ致度段願書差出候間、申上候
処御決済相成、尤申酉弐年之儀は試之儀ニ付、御当所御役
銀上納いたし候迄ニ而、別段御運上承御沙汰は無之候得
共、跡引続相稼候儀も至り候ハゝ、其節尚又願立御運上承
吟味受、且又地震災損木之分焼切、尽木相成候節ハ薪運上
相納、御林山雑木を以焼立候様可申渡旨、御沙汰ニ付、右
之趣申渡請証文取置候事
一右ニ付小豆沢江勤番青山伴平江取締向等之儀、御用状ニ申
遣候事
（五月九日）
一吉城郡吉ケ原村外三ケ村去々午年地震災痛木并出水之節根
返り木ニ而取立候小白木他国出いたし度段願出荒川口御番
所通手形相渡候事
（五月二十日）
一吉城郡跡津川村去々午年地震災痛木を以取立候小白木他国
出いたし度中山口荒川口御番所通手形願出相渡候事
（五月二十八日）
一吉城郡小豆沢村百姓又三郎元居宅際川縁ニ生立有之候槻元
木弐本去々午年地震災之節山崩押出し等ニ而川瀬相変右場
所水先ニ相成往々欠崩可申相見候ニ付願済之上根伐いたし
度候段申立候付先般見分（後略）
（六月二十日）
一吉城郡神坂村山内ニ而去々午年春地震災痛木を以取立候小
白木他国出致度願出候付取調之上荒田口御番所通手形相渡
候事
（七月十一日）
一吉城郡金木戸村岩峅村山内ニ而去々午年地震災ニ付痛木ニ
相成分小白木ニ先達□□他国出願出候ニ付取調
（後略）
（七月二十日）
一吉城郡金木戸村山内ニ而去ル午年春地震災ニ付疵痛ニ相成
候杉木を以取立候白木他国出いたし度段願出候付取調之上
荒田口御番所通手形相渡候事
（九月十一日）
一吉城郡小豆沢村外七ケ村入会守字久婦沢万波山内にて去々
午年春地震災之節山崩等ニ而根返り痛木ニ相成候雑木分山
方村々為助成薪木□ニ取立越中富山江売払ひ申度段先般相
願御聞済ニ付此度廻村出役之序右山内見分之上木品相渡取
締向継添請書取之追而帰郷之上申立有之候様　吉住礼助外
壱人江申遣候事
（十一月十一日）
一吉城郡小豆沢村震災木ニ而相稼候太鼓胴他国出いたし度旨
願出候ニ付小豆沢口御番所通手形相渡候事
（十一月十七日）
一吉城郡吉野村稲荷社木元木弐本山方村々震災木を以御用板
ニ而右村江買取社堂修覆手当ニ致度段願出免状相渡候事
（十一月二十七日）
一吉城郡保村天生村山内震災損木先達而見分之上預ケ置候分
御用板并小白木ニ取立度段願書仕様帳共差出候処御聞済ニ
付其段山方惣代一之宿村清左衛門外壱人江申渡取立之上申
出改請可申旨申渡候事