地震史料集テキストデータベース
[未校訂]（表包）
「安政二卯年十月出府中大地震ニ付
御地頭所ゟ御用金被仰出候書付其
外添状共」
（中包）
「石井五右衛門様 水谷五郎兵衛
増山鉄兵衛
書付四通入」
態々御人使を以被仰下御状書之趣、一々御請は略文仕候得
共、委細奉承伏候、扨昨日は御混雑之御中江鉄兵衛罷出候
処、乍例頂戴大酔（ママ）難有仕合奉存候
一昨日は不相変御迷惑之御談申上候処、早速御承知被成下、
彼是御配慮被成下候、一条具ニ 御上ニも御承知被遊、殊
之外御歓被遊候、右ニ付猶又被仰下候趣御尤至極奉存候、
乍併今朝認置候書面は三通共為持差上申候、御程合宜敷御
見計、可然御取扱可被奉候
一当用金拾両被遣之被下、慥ニ落手別紙書付ハ例之通上置申
候
右ニ而都合御当借三拾両ニ相成申候、暮勘定元利御引取可
申存候
右之趣早々遣答申上候 以上
十月十二日 鉄兵衛
五郎兵衛
五右衛門様
覚
一金拾両也
右は今度江戸表地震ニ付、御屋敷御住居向并御土蔵弐箇所
大破之場所出来致し候ニ付、難被拾置場所而已御修復被
仰付候得共、多分ニ金子御入用御勝手必至と御差支ニ付、
御面道（ママ・倒カ）出金被 仰付候、致出精当卯十二月金五両来辰二月
同断相納候様可被致候 以上
地頭所内
嘉永（ママ）二卯年十月 増山鉄兵衛㊞
水谷五郎兵衛㊞
石井吉兵衛殿
覚
一金弐拾五也
但当正月返済之約束ニ而去寅十二月借用
右之分当卯年十二月返済可致処、利足御下ケ元金居置、来
辰年暮ゟ無利足五ケ年割済之積り、毎暮五両つゝ御下ケ御
頼被成度事、此引当之儀は当卯年ニ而割済御返金相済候分
ニ而御引取可被下事
一金五拾両也 地震ニ付臨時
内拾五両両村高割可申哉
残三拾五両返済方無之御相談之事
利足壱割も済置度事
一皆済目録過納之分は子年御借入之口来辰年相済候間、来暮
ゟ無利足年賦之積り、毎暮五両つゝ御下ケ被成度事
一時宜次第 奥様御金拾両当暮迄御当借被遊度旨、奥様ゟ御
伝言
一御書付相渡候梵鐘之儀申談候事
一御書付差上候後相しれ候て返候様申談候事
十月
差上申一札之事
野州安蘇郡戸奈良村五右衛門義従来百姓相続罷在候処、今般
地震ニ付而ハ御修復向不少義ニ付、為冥加村方ニ而焼立石灰
壱万俵無代上納致度旨奉願候処、願之通上納被 仰付段被
仰渡、難在承知奉畏候、然ル上ハ右壱万俵三度ニ割合、浅草
御蔵江相納可申候、右は御願済ニ御座候迚、御威光ケ間敷義
ハ勿論、都而不心得候義無之様可致旨被 仰渡、是亦奉承知
候、仍而受証文差出処如件
諏訪縫殿助知行
野州安蘇郡
戸奈良村
年寄
五右衛門煩ニ付代
安政二卯年十二月廿七日 佐兵衛
御奉行所
差添人
喜助