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項目 内容
ID J1001817
西暦(綱文)
(グレゴリオ暦)
1819/08/02
和暦 文政二年六月十二日
綱文 文政二年六月十二日(一八一九・八・二)〔美濃・尾張・伊勢・近江・大和・京都〕本州中央部・四国
書名 〔大地震ニ付御赦米被下候分潰家之分〕
本文
[未校訂]○近江八幡滋賀大学経済学部付属図書館・市田家文書
天地の間災ひさ満〳〵あるか中におそろしきハ火の災水
の憂ひあるハはやちなと人の家居まて失へる事もあれハ
常にそのふせきをすなるに今年文政二卯年水無月中の二
日未の刻にわかになゐ[震|フリ]出あハやといふほ大地の崩るゝ
か如く音すさましく家居ハ浮たる船のはやちにあへるが
如くにて瓦飛壁落今や覆らんと人皆魂を失ひぬるにとは
かりして鎮まりしかハからくもよみかへりし心ちして妻
子とも寄集まり先身のつゝがなかりしを慶ひぬしたしき
人々互に相訪つゝ此事をきゝ定むるに此比牟礼の里にて
も殊に魚屋町より池田町のわたりまた東の町鍵の手てふ
所ろは遣しかりける凡十余町の間にて家居三百許そ倒れ
ぬ是に打れ死をしもの十たりはかり疵をうけぬるハ数も
しらす庫や小屋や倒れしも夥しつゝかなしといふ家ゐも
なかは傾きたるにはしらをそへ強梁てふ物をしてからく
もしのぎぬるに夕つかたより所々倒れ猶も響の名残やあ
るハ傾きぬとさハぎあへるにうろたひたましひをひやし
ぬ夜すからこゝかしこ見廻りつゝ其防をそなしぬ斯て遠
近の便をきゝ伝ふるに比良伊吹の嶽も渓々崩れ大□の城
の家居多く倒れ京難波奈良の道も老人達の更に覚えぬ程
の事にていらかかたふきぬりこめ摧きなとす春日住吉の
燈籠の数なかハ倒れたれと播摩路より西ハさせる事もき
こえす東の方ハ美濃尾張且伊勢路等所々破れ損ひ夫より
東の国ハ静かなるよしわきて甚しかりしハ此国にてそ有
ける此三十年余り前つかた浅間の嶽大に焼砂石等を吹出
し凡百里の外迄も鳴動をしこともあり又五とせあなた木
曽の川水溢れ美濃尾張の国夥しく家ゐも流れ人多く溺死
をし事もありけりかく高山大河なとさま〳〵災ひにて家
ゐを失ふ事昔よりきゝ伝ふに此国ハ皇都に隣里たひらか
なる所なれハかゝる災ハあらしとのミ思ひ侍りしか天地
の災ひハ誠に思ひはかるへからすおそるゝに余ありけり
聞伝事たになゐのわさにかくなへて家居のふり崩と

大小もあらて家ゐ崩れて土煙立さわぎぬる閨(カ)の諸

かかる折雨なとふりなはいともうかるへきに晴つゝ
き夜ことに破し水端に月のもれ入を見てふしミれハ心
有けりあハれにもあれたる宿にすめる月影
卯六月 直徴記ス
町々惣年衆より倒家半潰猶亦大破損等逐一ニ御しらへ被
仰出被書上候所潰家半潰等江ハ米壱俵より三斗。弐斗。
壱斗五升本屋借家差別有之候而御役所より御救被下候
御用達御仕送并加人之分大破之家銘々
七月廿六日被召出御役所ニ而御目録被下之此方義も
金弐百疋被下之由
三町縄手末丁
潰家 油屋治郎兵衛 町内持家
麻屋太郎兵衛 表屋唯治郎
弦屋長治郎 按摩宗伯
半潰 長野屋文右衛門
弦屋徳兵衛
同元町
潰家 馬渕屋庄六 沢屋甚九郎 道具屋いし
半潰 紅屋つき 嶋屋徳兵衛 樽屋仁兵衛
〃 扇屋治兵衛 村田屋源六
大森屋善兵衛 江戸屋太兵衛
鍵之手町
潰家 河内屋小兵衛 〓屋吉兵衛
柏屋忠兵衛 中村屋嘉右衛門
半潰 茶屋五右衛門 伊勢屋又右衛門
慈恩寺町上町
潰家 山形屋半兵衛 但馬屋治兵衛
嶋屋まつ
半潰 麻屋平八郎 大文字屋武兵衛
丸屋平兵衛 納屋吉兵衛
布屋助三郎 糸屋藤兵衛
山形屋又兵衛
同中町
潰家 米屋市左衛門 釜屋ゑん
煎餅屋平吉 村田屋理兵衛
万屋弥助 野田屋長右衛門
借家嶋屋とみ
叶屋そよ 右六軒共裏借家也
半潰 市井屋はつ 村田屋理兵衛
莨屋はま 佳田屋理兵衛
米屋惣治郎
慈恩寺丁元町
潰家 円座や小兵衛 伊勢屋甚助
鍛冶屋町
半潰 嶋屋さき 大坂屋岩治郎
薬師町
潰家 綿屋万治郎
生須町 玉屋丁
潰家 箒屋小兵衛 半潰 牧屋権兵衛
喜多屋いよ
東畳屋丁 半潰 布屋文吉
博労町中丁 半潰 土屋小兵衛
博労町上丁
潰家 山形屋与治兵衛
扇屋伊兵衛
半潰 布屋とみ 松前屋彦治
嶋屋徳兵衛
永京丁上丁 半潰 津軽屋平兵衛借家
塩屋金太郎出店
同中丁 潰家 糀屋やゑ
同元丁 半潰 津軽屋平兵衛
油屋久め
仲屋丁上町 潰家 鍋屋ひそ
麻屋源兵衛
半潰 珠玖屋伊兵衛
桶屋町
半潰 松前屋理助 大文字屋吉兵衛
畳屋志な
為心町上町
潰家 瓦屋冨十郎 美濃屋庄兵衛
町持明家 三軒共長屋也
半潰 生嶋屋庄九郎 伊庭屋理助
番屋善介
為心町中丁
半潰 毘布屋七兵衛 松前屋久治郎
差物屋伊三郎
為心町元丁 潰家 笹屋八兵衛
大杉町
半潰 塩屋へん 松前屋藤助
村田屋利兵衛
魚屋町元丁
潰家 和田屋九郎兵衛 釘屋伝兵衛
半潰 鍵屋七左衛門 山本屋儀助
羽田屋仁介
魚屋丁中丁
潰家 松屋忠兵衛 莨屋治兵衛出店
半潰 浜屋市兵衛 角屋庄助 若狭屋源七
魚屋町上町
潰家 桝屋利兵衛 半潰 差物屋作介
松前屋半治郎 米田屋伊八
嶋屋平太郎 丸屋伊左衛門
芋屋平右衛門 備後屋武介持
嶋屋伝兵衛 木綿屋又三郎
辰巳屋まさ
新町四丁目
潰家 すみ屋かん 加茂屋みと
香具屋与三右衛門 広嶋屋平九郎
納屋佐助 三□屋八郎兵衛扣
佐野屋とゑ 桶屋伊兵衛
米田屋平七
半潰 尾張屋とよ 北国屋増兵衛
菊屋治郎兵衛 河村屋伝兵衛
新町三丁目
潰家 中沢屋久兵衛 差物屋市兵衛
金亀屋ひら 辻屋忠兵衛
津田屋五兵衛 浜屋治郎兵衛
納屋吉兵衛 鑞燭屋喜兵衛
町内扣家 酒屋五左衛門
半潰 近江屋清介 大房屋志な 酒屋新吾
土蔵弐ツ前新町弐丁目
半潰 木綿屋藤兵衛 大文字屋せう
鉄屋伊兵衛 山形屋その
新町元丁
半潰 船屋市右衛門 池田屋ふさ
米田屋清六
玉木町弐丁目
潰家 美濃屋太兵衛 油屋亀蔵
半潰 福堂屋長十郎 岸本屋藤兵衛
松前屋志げ 薬屋妙円
西神町
半潰 淡路屋加兵衛 西屋五郎兵衛
絹屋源兵衛 納屋庄兵衛
淡路屋八兵衛 金屋弥兵衛
大工平七
小幡町中丁
潰家 山形屋甚四郎 扇屋十兵衛
半潰 上州屋五兵衛
土蔵三ツ
半潰 扇屋十兵衛まつ 半潰 彦根屋とめ
納屋幸助 納屋清兵衛 手習師源内
小幡町上丁
潰家纑屋六左衛門 西屋吉五郎
菊屋伊介 上田屋九左衛門
畳屋与三郎 畳屋市松
半潰 瓦屋彦治郎 莨屋善兵衛
綿屋庄治郎 壁屋彦治郎
本町五丁目
潰家 菊屋宗兵衛 大坂屋惣太郎
油屋藤兵衛 肴屋新太郎
納屋治郎吉 松前屋源左衛門
池田屋いは 加茂屋庄兵衛
大和屋なか 青物屋忠八
ゑひ屋善兵衛 〓屋藤兵衛
丹波屋源兵衛 大黒屋金介
纑屋七兵衛 仕入屋まつ 綿屋とよ
松前屋多兵衛 河内屋治郎左衛門
肴屋新太郎 木屋なつ 万屋なを
〆嶋田屋久右衛門借家伊勢屋長兵衛 十二屋るい
本町四丁目
潰家 珠数屋まつ 沢屋平八 西屋久右衛門
半潰 大津屋志ゆん 珠数屋まつ
差物屋とよ 西屋五兵衛
道具屋いよ 万屋清兵衛
嶋屋太郎八
本町三丁目
潰家 中村屋佐五郎 米田屋はる
今村屋広治
半潰 山形屋治兵衛 大文字屋治兵衛
纑屋はつ 桔梗屋すか
万鑵屋治郎兵衛 加茂屋長右衛門店
扇屋小兵衛
本町弐丁目
潰家 松本屋武左衛門 沢屋喜重郎
肴屋すミ
半潰 □屋喜兵衛 柳屋利介 桝屋新兵衛
本町元丁 半潰 中村屋喜兵衛
池田町弐丁目
半潰 山本屋七治郎 横物屋喜兵衛
木挽屋政右衛門
池田町四丁目
半潰 松葉屋伊兵衛 馬渕屋為吉
同五丁目
潰家 東家みの 大和屋文七
半潰 魚屋加介 小南屋源三郎
木綿屋庄右衛門 磯屋源兵衛
珠玖屋五郎兵衛 加茂屋与兵衛
板屋町
潰家 加茂屋与治兵衛
寺内北元丁
半潰 酒屋利兵衛 伊勢屋治郎兵衛
孫平治町弐丁目
半潰 平木屋松兵衛
惣合 潰家 八拾弐軒
半潰家 百六拾軒
右之外土蔵小屋等潰半潰夥しく其外無難と申も壁落すし
われ大破也
出典 新収日本地震史料 第4巻
ページ 380
備考 本文欄に[未校訂]が付されているものは、史料集を高精度OCRで等でテキスト化した結果であり、研究者による校訂を経ていないテキストです。信頼性の低い史料や記述が含まれている場合があります。
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