地震史料集テキストデータベース
[未校訂]「弐印（表紙）
寛延弐巳ヨリ
同 四未迄
万年覚 全
就御用留禁他見」
一四月廿（寛延四年）五日夜大地震諸々山崩ニ而御献上蕨震崩冝蕨生不
申常躰之蕨ハ御用立不申江戸表御断ニ而御献上差留候ニ
付例年相納候蕨代金納不被仰付候此段触元大肝煎加役西
嶋組大肝煎へ申渡ス 十月十一日
（中略）
当夏中地震就大変御領中へ
御拝借被 仰付候ニ付呼ニ遣し候御触出し御文言左之通
御用之義有之候間明朝五ツ時過可罷出候 已上
十一月廿七日 片茂右 此触出し木田組宛ニ而遣之
安作兵 尤早朝無遅滞罷出候様添触
入遣ス
触元大肝煎
一当夏中地震之就大変此度御拝借金壱万両被 仰付候而江
戸表ゟ御金就到来御領中并田中組江御手宛弐千両被仰
付候則触元大肝煎塚田源次右衛門外壱人槇村組大肝煎呼
寄安田作兵衛殿於御宅ニ御領中へ御拝借金弐千両被 仰
付候旨作兵衛殿直ニ被仰渡候尤書付ハ出不申候御領中
大肝煎共不残呼寄可被仰渡候へ共此節之事故為惣代右両
人江被 仰渡候尤当夏中潰家等追々点検書出候上ヲ以御
手宛割付可申候併大難之村々ハ差別も可有之候間追々し
らへ候而割付可申旨筑山貞四郎右両人へ申聞候且御拝借
金割合書付左之通蔵半紙二ツ折ニいたし書付相渡
覚 宝暦元年未十一月廿八日被 仰渡候御奉行中
斗御礼ニ廻り御大中老中へは大肝煎共ハ不罷
越候事
一金三千両 御城築
一同七千両 御家中諸士家敷
一同弐千両 御領中
一同千両 御町方
〆
右は割合三千両不足有之候へ共先書面之通ニ候間口上
ニ而申聞候
右は江戸堀田相模守様へも不足ヲ立書付被遣候由ニ付
御領中ニ而も承知之ため申聞候
寛延四年未十一月 酒井左衛門尉様御渡被成候御拝借金
被仰付候御書付写 半切紙ニ写上書榊原式部大輔へ
金壱万両 榊原式部大輔
領分地震ニ付難義可仕候依之書面之通拝借金被仰付
候上納之儀ハ来申年ゟ十年賦ニ可有上納候御勘定奉行
可被談候
覚
来申ノ年先納金弐千両并小物成宛才覚金五百両
金高都合弐千五百両也
内
五百両 当十二月上納
残而弐千両は左之通
四百両 申ノ正月
四百両 同二月
四百両 同三月
四百両 同四月
四百両 同五月
〆
右月割之通其月々無相違調達上納申候様相頼候事
未十一月
十一月廿八日右ノ拝借金御領中へ被仰渡候就御用触元
大肝煎木田村源次右衛門并外槇村組大肝煎罷出候ニ付
例年ハ御領中大肝煎并大年寄等不残被召呼被仰付候事
ニ候へ共此節之義故乍序右両人へ惣躰へ則割合書付相
渡ス例年ハロ上書等茂有之候へ共去午年も口上斗ニ而
被仰付候ニ付当年も口上斗ニ而被仰付候
右書付ハ添状紙横折ニ而相認蔵半紙二ツニ折上書上之
字ヲ書
（中略）
覚
野口理左衛門
右は地震翌朝直クニ今町へ罷越候人別も多キ場所死者等
無心元殊ニ船入之義他所者等も入込候処故諸事見届ニ急
ニ罷越候尤大変ニ而御城下并今町等其外穀物払底致候ニ
付沖之口穀物出船相止させ候随而指懸り御物入相見へ候
事故御勝手方御用之儀も相含候而罷越万端出情（精）仕候
筑山貞四郎
右は地震後三谷見分ニ作兵衛罷出候砌罷越候而見分場所
所欠廻り尤罷帰江戸表へ罷出候砌之諸書物しらヘニ昼夜
相懸り出情仕候
手代仮役
菅浪市兵衛
右は地震後奥州表へ御才覚金之儀ニ付早追ニ罷越金子調
達之上高田江罷帰直クニ御役所へ罷出諸事しらヘニ相懸
申候て出情仕候
当八月ゟ手代仮役
石倉善八郎
右は地震後直クニ三谷へ様子見届ニ罷越候其節往来無之
所甚致難義所々欠廻り見届罷帰是又直ニ諸事しらヘニ相
懸申候而出情仕候
福井助右衛門
右は今町ゟ御用有之高田へ罷出候処御役所御用多ク御座
候ニ付留置しらへ方相懸り申候而出情仕候
組物書
石栗儀太夫
三宅与一郎
右は地震後早速三谷へ相廻麁絵図相認罷帰直クニしらへ
に相懸り申候而出情仕候
組物書
菅浪常八
永田小一兵衛
三宅与右衛門
竜田伝右衛門
右は江戸表へ指出候諸書物しらヘニ昼夜相懸り出情仕候
組物書
井上与平治
右は物書不残大変之しらへ方ニ懸り居申候故平生之御役
所御用向詰切居申候
作兵衛組
佐藤文助
藤村文蔵
右は三谷見分ニ作兵衛罷出候砌召越候処所々走り廻り難
所等越候而見廻り出情仕候
右之通御奉行被仰達候ニ付為御褒美左之通被下置候未十
二月十日被仰渡候事
金三百疋 野口理左衛門
右は当夏地震之節所々欠廻り今町等ニおゐての働残所無
之ニ付為御褒美被下置候
金三百疋 筑山貞四郎
右は地震之節殊之外出情ニ相勤候ニ付被下置候
金弐百疋
手代仮役菅浪市兵衛
右は地震之節早速浅川へ罷越金子調達之義等骨折申候ニ
付為御褒美被下置候
米壱俵
手代仮役石倉善八郎
右は三谷様子見届罷越候節出情申候ニ付被下置候
米壱俵 福井助右衛門
右は今町ゟ御用有之高田へ罷出候処於此方御用出情相勤
候ニ付被下置候
銀三両ツゝ
組物書
（石栗儀太夫
三宅与一郎
同三両ツゝ
組物書
（菅浪 常八
永田小一兵衛
三宅与右衛門
竜田伝右衛門
右同断
同物書
井上与平治
右同断
作兵衛組佐藤 文助
藤村 文蔵
〆
宝暦元未年
右之通十二月十日被仰出候事
但奉行中ゟ前ニ記置候様ニ被仰達候ニ付右之通御
褒美被仰出候事
金三百疋 赤井惣右衛門
同弐百疋ツゝ 星野 庄助
数見 勘助
并河 文助
右は当夏地震之節御蔵破損之上其外急成御用共出情相勤
申候ニ付為御褒美被下置候
右十二月十日被仰付候事
銀三両ツゝ
井上九右衛門組遠山甚右衛門
安田作兵衛組本間善左衛門
右は地震之節三谷へ罷越村々不残相廻り出情仕候ニ付為
御褒美被下置候
請取申銀子之事
一銀三両
安田作兵衛支配組物書
石栗儀太夫
一同三両
同組物書
三宅与一郎
一同三両
安田作兵衛組物書
菅浪 常八
一同三両
井上九右衛門組同
永田小一兵衛
一同三両
同組同
三宅与右衛門
一同三両
同組同
竜田伝右衛門
一同三両
安田作兵衛組同
井上与平治
一同三両
同組
佐藤 文助
一銀三両
安田作兵衛組
藤村 文蔵
一同三両
井上九右衛門組
遠山甚右衛門
一同三両
安田作兵衛組
本間善左衛門
〆銀三拾三両也
此銭八貫五百七拾文目貫
右は当夏中地震後御用出情仕候由ニ付為御褒美被下置請
取相渡申所也重御領奉行中御帳面可被致印形候仍如件
宝暦元甲年未十二月 筑山貞四郎
神戸少兵衛殿
杉本多兵衛殿
右之通証文ニ而未十二月廿四日受取
右之通之証文ニ而大納戸ゟ切手参候切手之面左之通
覚
一銭五貫四百五拾三文 目貫
右は筑山貞四郎へ可相渡候以上
未十二月廿四日 御大納戸○（ママ）
かけ由
此如切手弐枚ニ成候訳ハ物書七人と平四人と別
ケ候由
覚
一銭三貫百拾七文目貫
文言月日宛共右同断