地震史料集テキストデータベース

[未校訂]安政五年二月廿六日、
朝大に寒、今日半曇、今暁八時過是迄不覺強地震。夫より
小きぱ度々有之、夕景より少々雨、溫。
二月廿七日
一、咋曉〓震に、御城格別大破損無之候得共、少し宛御破
損數ケ所〓之由。
二月廿八日
一、此間の地震、上は能美郡邊、越前地、下は越中筋餘程強
く、地も餘程割れ、潰家等多く有レ之由に有之。
二月晦日
一、此間之地震、越中筋は餘程強く、地中五六尺も裂裂に相
成、高低出來候も有レ之旨注進。（石川郡）湯涌之湯、少しも
不出候由。
三月二日
一、此間之地震、金澤左程に無之、上ぱ大聖寺より越前地、
下ぱ越中、飛驒、今石動邊強く、富山邊土藏計も三百許損
じ、且上に而者、大聖寺町方等百軒餘、半潰土藏等五十許、
越前地者金澤、丸岡強く、家數二百軒許潰、土藏七十許損、
加州に而者、向粟ケ崎六十軒許潰家有之、此邊迄強し。
尤右強き處は、御城なども御破損多く、下信州邊も、金澤
邊位之地震之由。京都之義は不相知候得共、大阪は廿五
日晝九時より、廿六日九時迄火事、家數一萬七千許燒失。
火事中に地震餘程強く、土藏許も四百許潰等大損之由。