地震史料集テキストデータベース

[未校訂]嘉永七年安政元年六月十四日夜、八つ時大地震あり、建具倒れ壁
崩れ、夜明けまで七八度も搖り、それより每日夜數度づゝ搖
つて、閏七月の半に至つて治まつた。然るに十一月四日晝五
ツ時俄然大地震がまた襲うて來て、翌日晝七ツ時また大に搖
れた。其筋に届出でた控書によれば山田のみの損害、土藏・
寺院・民家等三千百九十の多きに達した。此の時の津浪にて
弘化三年十月大湊に築造した燈臺も流失した。（神領雜纂）
御役所ヨリ難澁者千百軒、人數二千九百四十七人、十軒へ
金一兩ニ米二俵ヅヽノ割ニテ十軒ノ家内人別（小兒ハ半分也）ニ下
サレタリ。二度下サル。二度目ハ金ハナシ。又家潰レ居處
ナク小屋ニノミ住居ニテ家建テカネタル者、山田ニテ十五
人へ金二兩二分宛、無利足十ケ年賦ニ貸シ與ヘラレタリ。
仁惠ノ程可仰ニテ、御奉行所ハ山口丹波守殿ナリ。