地震史料集テキストデータベース

[未校訂]出雲守領分信濃国高井郡水内郡之内村々去月廿四
日亥刻頃より大地震にて人家震潰并人馬死亡等も
有之趣其上篠井川筋両岸抜崩水中押埋水吐并田方
水溢追々畑方へ押揚可申哉難計同廿六日に至候て
も折々相震申候旨彼地役人共より申越候委細之儀
は追て可申上候得共出雲守大阪在番中に付此段先
御届申上候　以上
四月四日　堀出雲守家来
奥田為太郎
私儀為参勤去廿二日在所出立仕候処同廿四日夜
越後路并信州路大地震に付何分通行難仕旨榊原式
部役人より相違申候依之越後能生之駅に逗留仕罷
在候此段御届申上候　以上
三月廿八日　松平備後守
右之通四月四日届出る
出雲守領分信濃国高井郡水内郡村々去月廿四日夜
大地震の義は先達て先御届申上置候通御座候処其砌
千曲川抜犀川筋眞田信濃守様御領分更級郡山中安座
村凡二三里の内右山所々抜崩れ川筋押埋水勢皆止り
罷在候処去る十三日押払同夜戌刻頃千曲川溢れ高井
郡六川清水羽場中條大熊草間右六ヶ村一円押上右満
水相成候に付夫々手当申付置候尤流家等は無御座候
得共潰家等有之且又水死人の儀は水中故相分不申趣
翌日十四日卯刻頃より追々引水相成候旨彼地役人共
より申越條委細之儀は追て可申上候得共出雲守在大
阪中に付先此段御届申上候　以上
四月廿一日　堀出雲守家來
奥田為太郎
右四月廿一日晝後届出
四月廿五日　濃州加納永井肥前守様御領分去る十日
大風雨にて城内外多分破損届出有之
同　日　丹羽國宮津竹野郡木津村松平伯耆守様御領
分当正月十二日夜俄に砂山窪み田反別凡壱尺位より
壱丈位迄地高に相成候義届出有之候事。