地震史料集テキストデータベース

[未校訂]一十月四日午ノ下刻大地震、
五畿内南海道殊ニ〓州、紀州、参洲、遠州夥しく海辺つなみ打、大地裂ケて青き泥涌出ル、大阪辺は家崩し大船流れ失、死亡人数志らず、其内京都はゆるやか也、大阪天満惣町中崩レ家并死人同日高汐ニ付破損潰船
溺死之覚
一潰家九百九十三軒
一潰藏廿九ケ所
一潰納屋六十九ケ所
一潰小屋十四軒但町人屋敷之内ニ有之分
一破損橋十四ケ所内壱ケ所公儀はし
一曲家七百八十一軒但シ住居ならざる分
一破損藏丗八ケ所
一破損納屋丗三軒
一落橋丗一ケ所
一潰門百八十ケ所但町境之門也
一破損潰船七百七艘但大阪諸川船之分
一破損潰船九艘過書船
一廻船破損九十三艘
一行方不知船百五十六艘合八百六十三艘
一同七艘伏見船
内八艘地廻船六十艘田舍廻船廿五艘船主不知
一痛船三百丗六艘
内四十七艘地廻船二百八十九艘田舍廻船
一死人人五百四十一人但九人溺死
内男貮百十二人内八十八人男子女三百廿九人内九十五人女子
右之内他国者貮人
一失人四人
一犬死三十五疋
川口穢多村分
一家数三百拾七軒
内百八十六軒大汐ニ而流家
百三十二軒同破損家
外二百丗二軒同納屋流家
三十七軒破損藏
廿軒破損納屋
一軒道場地震ゆりつぶれ
一溺死十三人
内男三人女十人
右之外立退人数多ク有之共生死不知〓堤二ケ所小堤八ケ所切入并ニ津守新田之堤不残切レ汐指込住居難相成侯、覚
一今度地震高汐ニ付船荷物流れもの金銀板材木等其外何ニよらず拾ひ取候者有之は奉行所へ司断出候、川内を徘徊いたし猥ニ橋板材木等に極印を打書付いたし、又は拾ひ取候族有之よし相聞候、隠置以來相知レ候ニ於ては曲事可申付候
一主人町人家主念入改、店借召遣ひの者常々持不申物有之ニ於ては可申出候脇より相知候ハゝ、家主越度可申付候事、
右之通町中へ急度可相触候、以上
宝永四年亥十月十三日
大隅和泉三郷惣年寄中へ